平成20年版 情報通信白書

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第2章 情報通信の現況

(5)諸外国における映像情報発信の動向

ア 米国
 各種の民間番組供給事業者が米国外においても番組提供を展開しており、特に、ケーブル・ニュース・ネットワーク(CNN:Cable News Network)の国際報道チャンネル「CNNインターナショナル(CNNI: CNN International)」は、200以上の国・地域で視聴可能となっている。
 また、同国連邦政府の放送管理委員会(BBG:
Broadcasting Board of Governors)は、「ボイス・オブ・アメリカ(VOA: Voice of America )」ブランドにより、全世界に向けて25箇国語でテレビ国際放送を展開するほか、2004年(平成16年)2月から、中東地域向けのアラビア語テレビ国際放送「アルフッラ(AL-Hurra)」を運営している。

イ イギリス
 公共放送機関である英国放送協会(BBC:British Broadcasting Corporation)の出資するグループ企業が、無料の報道チャンネル「BBCワールドニュース(BBC World News)」や有料の娯楽・教養チャンネル「BBCプライム(BBC Prime)」等のテレビ国際放送を運営するほか、2008年(平成20年)3月には、BBC本体が、国費を財源とするアラビア語テレビ放送「BBCアラビックTV(BBC Arabic Television)」を開始した。これらチャンネルについては、ライブストリーミング配信や動画共有・配信サイトと提携したインターネット配信のほか、携帯電話への配信等、多メディア展開についても対応を進めている。

ウ フランス
 欧州のフランス語圏3箇国(フランス、スイス及びベルギー)の公共放送機関を中心的な出資者とする国際放送専門局「TV5モンド(TV5 Monde)」が、総合チャンネルで、世界の200箇国以上に向け、フランス語によるテレビ国際放送を実施している。
 また、政府の主導により進められたいわゆる「フランス版CNN構想」の結果、官民共同出資により設立された新会社が、2006年(平成18年)12月から、無料の報道・文化チャンネルによるテレビ国際放送「フランス24(France24)」を開始した。対象地域は、欧州、中東、アフリカ、米国東部(ニューヨーク、ワシントン)であり、2009年(平成21年)には、アジア及び米州全域まで拡大する予定となっている。対象地域の使用言語に応じた二つのチャンネル(英語75%+フランス語25%、フランス語100%)により放送を開始し、2007年(平成19年)4月には、アラビア語チャンネルも開設した。また、スペイン語放送の開始も計画されている。
 なお、政府は、持株会社「フランス・モンド(France Monde)」を設立し、この下に上記2放送局及びラジオ国際放送局「ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI: Radio France Internationale)」の3社を統括することを検討している。

エ 中国
 国営放送機関である中国中央電視台(CCTV:China Central Television)が、中国語による報道・娯楽チャンネル「CCTV-4」、英語による報道中心チャンネル「CCTV-9」に加え、2007年(平成19年)10月からは、既存のスペイン語・フランス語混成チャンネルを両言語ごとに独立させた「CCTV-E」及び「CCTV-F」の計4チャンネルによって、テレビ国際放送を実施している。
 受信環境整備のため各国の衛星放送及びケーブルテレビによる再送信を積極的に進めており、特に米国に対しては、全米向け衛星放送や主要都市のケーブルテレビのベーシックチャンネルに参入済みとなっている。

オ 韓国
 公共放送機関である韓国放送公社(KBS:Korean Broadcasting System)が、ラジオ国際放送と並行して、韓国語(一部は英語字幕付)による有料の総合チャンネルを運営し、テレビ国際放送を実施している。
 また、1996年(平成8年)に設立された韓国国際放送交流財団(Korea International Broadcasting Foundation)が開局した国際放送局「アリランTV(Arirang TV)」では、アジア、大洋州、中東、欧州、米州向けとアラブ圏向けのテレビ国際放送を実施しているほか、韓国国内の外国人向けにはケーブルと衛星で英語(一部は中国語とスペイン語字幕付)放送を提供している。

カ カタール
 カタールを拠点とし、中東各国を中心にアラビア語のテレビ国際放送を行う放送局「アルジャジーラ(Al Jazeera)」は、2006年(平成18年)11月から、全世界に向け、英語によるテレビ国際放送「アルジャジーラ・イングリッシュ(Al Jazeera English)」を開始し、各国の衛星放送及びケーブルテレビのチャンネルに積極的に参入している。

キ その他
 2005年(平成17年)12月のロシア「ロシア・トゥデイ(Russia Today)」、2007年(平成19年)7月のイラン「プレスTV(Press TV)」、同月の南アフリカ「SABCニュース・インターナショナル(SABC News International)」等、新興国による英語報道チャンネル開局の動きも活発化している。

 第6節 海外の動向

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