平成20年版 情報通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

第1節 総合的戦略の推進

1 国家戦略の推進

 政府は、平成13年1月に、「高度情報通信ネットワーク社会形成基本法」(平成12年法律第144号)に基づき、高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)を設置し、「我が国が5年以内に世界最先端のIT国家になること」を目指した「e-Japan戦略」(平成13年1月)や、「e-Japan戦略II」(平成15年7月)等を策定した。「e-Japan戦略」策定後の5年間に、様々な施策が講じられた結果、我が国は、ICTの利用環境整備等やICT利用者のレベルにおいても、世界最高水準を達成し、最先端のインフラ、マーケット、技術環境を有する「世界最先端のIT国家」となった。
 一方、行政サービスや、医療、教育分野等におけるICT利活用についての国民満足度の向上、地域や世代間等における情報活用における格差の是正、セキュリティ対策や防災・災害対策の促進、企業経営におけるICTの活用や産業の国際競争力の強化、国際貢献等について、依然として課題が存在しているのも事実である。
 今後は、国民・利用者の視点に立って、ICTをその特性を生かしつつ有効活用し、国民生活及び産業競争力の向上に努めるとともに、我が国が抱える様々な社会的課題の改革に取り組んでいくことが求められており、そのためには、
[1] 「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」ICTを利用できる「ユビキタスネット社会」を、セキュリティ確保やプライバシー保護等に十分留意しつつ実現すること
[2] 我が国が世界最高のインフラ・利用能力・技術環境を有する最先端のICT国家であり続けること
が必要であると考えられる。
 これらの目的を達成するための新たな国家戦略として、IT戦略本部は、平成18年1月に「IT新改革戦略」を策定した。同戦略は、理念として、「構造改革による飛躍」、「利用者・生活者重視」及び「国際貢献・国際競争力強化」を、また、目指すべき将来の社会として、「活力のある少子高齢社会」、「環境・エネルギー問題への貢献」、「安全・安心な社会の実現」、「行政、企業、個人の新しい姿」、「情報格差(デジタル・ディバイド)のない社会」及び「世界に発信する誇れる日本の実現」を掲げている。また、同戦略の一層の推進を図るため、平成19年4月には「IT新改革戦略 政策パッケージ」を策定し、今後のIT政策に関する基本的な方向性を取りまとめた。
 この「IT新改革戦略」と「政策パッケージ」の趣旨を踏まえた「重点計画-2007」が平成19年7月に定められ、同計画に掲げられた各種の施策が推進されているところである。また、IT新改革戦略に関する政府の取組状況の評価等を行うため、「IT新改革戦略評価専門調査会」が置かれており、その評価結果は次年度の重点計画に反映させることとされている。
 
図表3-1-1-1 我が国のICT戦略の歩み
図表3-1-1-1 我が国のICT戦略の歩み

 第1節 総合的戦略の推進

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