平成20年版 情報通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

(2)迷惑メール対策・フィッシング対策

ア 迷惑メール対策

 迷惑メール対策については、総務省では、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」や、電気通信事業者による自主的な取組、迷惑メール対策技術の導入の促進、国際連携の推進等に努めており、我が国の国際的な迷惑メール送信国順位が大幅に低下するなど、一定の成果を収めている。しかしながら、迷惑メール全体の流通量は依然増加傾向にあり、また、迷惑メールの巧妙化・悪質化が進み、さらに海外から送信される迷惑メールが増大するなど新たな問題が顕在化している。
 このため、総務省では平成19年7月から「迷惑メールへの対応の在り方に関する研究会」を開催し、総合的な迷惑メール対策を検討しており、同年12月には法制度の在り方の見直しを中心とする同研究会中間取りまとめが公表された。平成20年2月29日にはこの中間取りまとめを踏まえた「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案」が閣議決定され、国会に提出された。同法案は、[1]原則としてあらかじめ同意をした者に対してのみ送信を認めるオプトイン方式の導入、[2]法人に対する罰金額の引き上げや報告徴収の範囲の拡大等による法の実効性の強化、[3]迷惑メール対策を行う外国執行当局に対し必要な情報の提供を可能とすること等の国際連携の強化を内容としており、衆議院及び参議院とも全会一致で可決され、平成20年5月30日に成立し、6月6日に公布されたところである。
 迷惑メールに関しては多面的に対策を講じることが重要であることから、「迷惑メールへの対応の在り方に関する研究会」では引き続きオプトイン規制の運用の在り方や技術的対策、国際連携の在り方等について検討を進めている。

イ フィッシング対策
 金融機関等信用のある者からのメールを装い、メールの受信者に偽のホームページにアクセスするよう仕向け、そのページを通じてクレジットカード番号等の個人情報等を不正に詐取する「フィッシング」は、電子メールの送信がフィッシングサイトへの誘引の主要な手段の一つとなっている。上記「迷惑メールへの対応の在り方に関する研究会」においては、フィッシングメール対策を含む迷惑メール対策全般についての検討を行っており、この結果に基づく上記改正法案では、送信者のメールアドレス等送信者情報を偽った電子メールの送信がなされた場合に電気通信事業者がサービスの提供を拒否できる旨の規定を盛り込んでいることから、フィッシングメール対策としても効果があることが期待される。
 
図表3-3-1-2 迷惑メール対策の全体像
図表3-3-1-2 迷惑メール対策の全体像

 第3節 安心・安全なユビキタスネット社会の構築

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