平成21年版 情報通信白書

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第1部 特集 日本復活になぜ情報通信が必要なのか

第1章 情報通信と成長を結ぶ経路

1 情報通信と成長を結ぶ3つの経路

●情報通信と成長を結ぶのは、主に「経済力」「知力」「社会力」の3つの経路
 図表1-2-1-1は、以下で検証の対象とする情報通信と経済成長の経路の概要を示す。大まかに分けて4つの要因が考えられる。第一に資本や労働といった「生産要素」の投入増、第二に「生産性」の上昇、第三に教育や知識といった「人的資本」の蓄積、最後に社会の紐帯やガバナンスといった「社会関係資本」の蓄積である。第一と第二の要因は、主として経済活動における生産面に着目したものであり、互いに密接に関連するため「経済力」の経路としてまとめて検証する。第三の要因は、人材・教育や知識・情報の共有に着目したものであり、これらを「人的資本(ヒューマンキャピタル)1」として一つの資本とみなし、「知力」の経路として検証する。第四の要因は、我々が生活する基盤となっている国や地域社会の信頼や安心感等の紐帯、公平性や透明性等のガバナンスに着目したものであり、これらを「社会関係資本(ソーシャルキャピタル)2」として一つの資本とみなし、「社会力」の経路として検証する。
 
図表1-2-1-1 情報通信と経済成長を結ぶ経路
図表1-2-1-1 情報通信と経済成長を結ぶ経路


1 インテレクチュアル・キャピタル(知的資本)やナレッジ・キャピタル(知識資本)と呼ばれることもある
2 日本語では「社会資本」が交通・エネルギー等の公共的な施設や設備を意味する用語として使われているため、ここではこれと区別するために「社会関係資本」をソーシャルキャピタルの訳語としている

 第2節 情報通信と成長を結ぶ「経路」

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