平成21年版 情報通信白書

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第1部 特集 日本復活になぜ情報通信が必要なのか

第2章 世界経済の変動と日本の情報通信

1 世界不況の影響を受ける日本の情報通信産業

(1) 戦後最大のマイナス成長に陥りつつある日本経済

●輸出大幅減等により戦後最悪のマイナス成長へ
 米国の金融危機に端を発する世界同時不況は日本の経済にも深刻な影響を与えている。図表2-1-1-1は、実質GDP成長率とその寄与度分解を示したものであるが、平成21年1〜3月期の実質GDP(季節調整値)は前期比3.8%減、年率換算で14.2%減、5四半期連続の減少となり、戦後最悪のマイナス成長となった。寄与度をみると、戦後最悪の26.0%減と落ち込んだ輸出が−4.2%となり、輸出減がマイナス成長の主因である。ただし、平成20年10〜12月期と比較すると、企業の設備投資(前期比8.9%減)や家計消費(同1.1%減)、住宅投資(同5.5%減)等をあわせた内需の寄与度は−2.3%に拡大しており、内需への波及も広がりつつある状況といえる。
 
図表2-1-1-1 実質GDP成長率とその寄与度分解
図表2-1-1-1 実質GDP成長率とその寄与度分解
内閣府四半期別GDP速報により作成
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/toukei.html#qe
Excel形式のファイルはこちら

 2008年第4四半期における各国・地域の経済成長率(季節調整値、前期比、年率換算)を比較すると、米国が6.3%減1、EUが6.1%減2、日本は13.5%減となり、先進国の中では最も低い水準となっている。また、日本の2009年の経済成長見通しについて、OECD(経済協力開発機構)の発表では6.6%減3、IMF(国際通貨基金)の発表でも6.2%減4と、いずれも先進国中最も低い水準となっており、米国のサブプライムローン問題による金融危機が日本経済にもっとも大きな影響を与える結果となっている。


1 米国商務省経済分析部ホームページ(http://www.bea.gov/national/index.htm#gdp)からデータをダウンロード可能
2 EU "EU News 42/2009()"による値(−1.5%)を年率換算
3 (出典)OECD "Economic Outlook(http://www.oecd.org/department/0,3355,en_2649_34109_1_1_1_1_1,00.html)"
4 (出典)IMF "World Economic Outlook(http://www.imf.org/external/pubs/ft/weo/2009/01/index.htm)"

 第1節 課題に直面する日本の情報通信

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