平成21年版 情報通信白書

本文へジャンプ メニューへジャンプ
目次の階層をすべて開く目次の階層をすべて閉じる

第2部 情報通信の現況と政策動向

第5章 情報通信政策の動向

(2)テレワークの推進

 テレワークについては、「テレワーク人口倍増アクションプラン」(平成19年5月、テレワーク推進に関する関係省庁連絡会議決定、IT戦略本部了承)において、「2010年までにテレワーカーの就業者人口に占める割合を2割とする」ことを政府目標として掲げている。
 総務省では、今後とも関係省庁とも連携しつつ、テレワーク普及促進のための各種施策を進めていく予定である38

ア 民間企業のテレワーク導入環境の整備
 総務省では、安心・安全で容易にテレワークの導入が可能となる共同利用型のテレワークモデルシステムの提示を通して、中小企業等におけるテレワーク普及を促進し、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現や地域活性化等を支援するため、厚生労働省と連携して、平成19年度から「テレワーク試行・体験プロジェクト」を実施している(図表5-4-9-1)。
 
図表5-4-9-1 次世代高度テレワークモデルシステムの実験イメージ
図表5-4-9-1 次世代高度テレワークモデルシステムの実験イメージ

 また、平成20年度には先進的な技術・システムを用いて、家族の生活空間と隣接した環境下における短期移住型のテレワークや、出産・育児等のために在宅中の医師等によるテレワークを通じた補助的支援といった特色あるモデル実験を実施し、地域活性化や医療現場の負担軽減等の社会的効果についての検証・提示を行った。
 さらに、従来のインターネット環境では実現困難であったより強固なセキュリティ環境や、業務データの安定的な授受等を可能とする次世代ネットワーク(NGN)を活用したテレワークシステム(次世代高度テレワークモデルシステム)の構築に向け、テレワーク導入分野として期待されるCG制作分野及び建築設計分野において実証実験を実施し、ネットワーク機能の有効性を確認するとともに、テレワークによる業務の効率化等への効果について検証・提示を行った。
 平成19年度税制改正において、企業のテレワーク設備導入に投資インセンティブを付与するため創設された「テレワーク環境整備税制」については、平成21年度税制改正において、その対象となる資産の取得期限が延長された。
[1]対象者:テレワーク関係設備の導入を行う法人又は個人(事業を行う者に限る。)
[2]対象設備:シンクライアントサーバー、VPN装置等
[3]税制特例:取得後5年度分について固定資産税の課税標準を2/3に軽減
[4]取得期間:平成19年4月1日から平成23年3月31日まで(に新たに取得したもの)

イ 総務省職員によるテレワークの実施
 国家公務員のテレワークは本格導入に至っておらず、我が国全体のテレワークを促進する観点からも早期の導入が求められる。
 総務省では、平成19年5月から中央省庁では初めて、本省(中央合同庁舎2号館)に勤務する全職員を対象にテレワーク(在宅勤務)を実施しており、20年度における登録者の延べ人数は80人となっている。

ウ テレワークの普及啓発
 平成17年11月に、テレワーク推進関係4省(総務省、厚生労働省、経済産業省及び国土交通省)の呼びかけにより、「テレワーク推進フォーラム」が設立され、産学官協働によるテレワークの拡大に向けて調査研究やセミナー等を行っている39
 また、平成20年度には、国民全体で地球環境を考え、取組を推進するための日として、7月7日が「クールアース・デー」として設定されたことを受け、総務省では、平成20年7月7日からの2週間を「クールアース・テレワーク週間」として、全国のテレワーク導入企業に対し、積極的にテレワークを実施する期間として参加を呼びかけるとともに、総務省としても職員によるテレワークを重点的に実施した40


38 参考:テレワークの推進: http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/telework/index.htm
39 参考:テレワーク推進フォーラム:http://www.telework-forum.jp/
40 参考:「クールアース・デーの設定について」(地球温暖化対策推進本部(平成20年6月17日)):http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ondanka/kaisai/080617/gijisidai.html

 第4節 豊かで活力あるユビキタスネット社会の構築

テキスト形式のファイルはこちら

第2部第5章第4節9(1)テレワークの現状 に戻る 10 ICT分野における地球温暖化問題への対応 に進む