第1部 特集 ICTの利活用による持続的な成長の実現
第1章 ICTによる地域の活性化と絆の再生

(2)地域SNSの利用者の効用について


ア 地域SNSの利用者像

●地域SNSは一般のSNSよりも30歳以上の利用率が高く、男性の利用率が高いのが特徴

 地域SNS利用者を年代別にみると、30代以上が圧倒的多数を占めており、10代・20代の割合は7%であった。本節2(1)(ア)の図表1-2-2-2でみたように、一般のSNSの利用者は若年層が高い傾向にあったが、地域SNSは中年層以上の利用が高いのが特徴といえよう。また、性別でみると男性の割合が69.5%、女性が30.5%と圧倒的に男性の割合が高い。利用者の家族構成についてみると、利用者の多い年代を反映してか、「二人以上子ども同居(50.0%)」が最も多く、「二人以上子どもなし(38.4%)」「一人暮らし(11.6%)」となっている。

図表1-2-3-6 地域SNSの利用者像
図表1-2-3-6 地域SNSの利用者像
地域SNSは若年層中心の一般のSNSよりも30歳以上の利用率が高く、男性の利用率が7割近くと非常に高い
(出典)総務省・国際大学GLOCOM「地域SNSに関する調査研究」(平成22年)

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イ 地域SNSの利用頻度とオフ会への参加経験

●地域SNSの利用頻度とオフ会への参加経験には高い相関

 地域SNSは、ソーシャルメディアの中でもオンラインコミュニケーションだけに完結しないオフラインコミュニケーション(対面でのつながり)が特に強いメディアである。活動が活発な地域SNSでは、公式・非公式のオフ会や参加者が集う場所づくりがなされている。また、図表1-2-3-7に示すとおり、地域SNSの利用頻度があがるにつれ、オフ会への参加経験も高くなっており、利用頻度とオフ会への参加経験には非常に高い相関がみられる。

図表1-2-3-7 地域SNSの利用頻度とオフ会への参加経験
図表1-2-3-7 地域SNSの利用頻度とオフ会への参加経験
地域SNSの利用頻度があがるにつれ、オフ会への参加経験も高い
(出典)総務省・国際大学GLOCOM「地域SNSに関する調査研究」(平成22年)

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ウ 地域SNSの利用による効果

●「人との出会い」「地域情報の入手」「地元への愛着」の効用が特に高く、地域生活を豊かにする効果

 地域SNSの利用の主な効果として10の項目を例示し、「そう思う」「ややそう思う」「どちらでもない」「あまりそう思わない」「そう思わない」の5件法により回答を得たところ、「そう思う」と「ややそう思う」と回答した割合の合計でみると、「地域について新しい知識と情報を得た」が76.3%、「新しい友人・知人が増えた」が70.4%、「地元の自然環境や文化への愛着が深まった」が63.1%と高い結果となった(図表1-2-3-8)。地域SNSがなければ得られなかった「人との出会い」「地域情報の入手」「地元への愛着」が特に高い効用として評価されているといえよう。また、「町内会など地域活動への参加が増えた(20.2%)」以外のほとんどの項目について、30%以上の利用者が効果ありと回答しており、既存の友人との絆を深めたり、自治体の施策が身近に感じられたり、地元への購買機会が増えたりするなど、地域生活を豊かにする効果が高いことがわかる。

図表1-2-3-8 地域SNSの効用
図表1-2-3-8 地域SNSの効用
「人との出会い」「地域情報の入手」「地元への愛着」が6割以上で、ほとんどの項目で30%以上の効果
(出典)総務省・国際大学GLOCOM「地域SNSに関する調査研究」(平成22年)
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