第2部 情報通信の現況と政策動向
第5章 情報通信政策の動向

第7節 研究開発の推進


1 我が国の国際競争力を強化するための研究開発戦略


 総務省では、我が国の科学技術政策の根幹である「第3期科学技術基本計画」(平成18年3月閣議決定)及びその戦略的重点化のため策定された「分野別推進戦略」(平成18年3月総合科学技術会議)を踏まえて研究開発の推進に取り組んでいる。
 特に近年、我が国の国際競争力が大きく低下している中で、ICT産業の競争力強化が我が国全体の国際競争力強化につながることや、我が国の社会問題解決にICTが重要な役割を担うことが期待されている。
 そのような背景のもと、総務省では、政府全体の科学技術政策や「新成長戦略(基本方針)」(平成21年12月閣議決定)等との連携を図りつつ、情報通信システムの低消費電力化及びICTを活用した社会の低炭素化等を目指す『グリーン・イノベーション』、電子的サービスの利便性・安心・安全の向上及びICTを活用した医療・介護・健康増進等を目指す『ライフ・イノベーション』、及び我が国が強みを持つ技術により、新産業の創出を目指す『未来革新』を、我が国の国際競争力強化及び社会問題解決に向けて世界に先駆けて推進することとしている。
 今後、民間企業及び独立行政法人情報通信研究機構とともに、グローバル展開を意識した中長期戦略を共有し、産学官連携を一層強化することで、研究開発を効果的かつ効率的に実施していくことが求められる。
 以下、我が国が重点的に取り組む研究開発施策及びその研究開発環境の整備について述べる。
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