2 グリーンICTによるCO2削減効果 ●最新のデータに基づいて総務省が算出した2020年時点のグリーンICTによるCO2排出削減効果は、1990年度のCO2総排出量の10%に当たる約1.25億トン  グリーンICTによって、どの程度CO2を削減できるのであろうか。ここでは、総務省が平成21年10月から開催している「グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース」における検討テーマの一つである「地球的課題等の解決への貢献」を扱う地球的課題検討部会の下に設置した「環境問題対応ワーキンググループ」において算出した、2020年におけるグリーンICTによるCO2削減効果の推計結果を紹介する。  ICT利活用によるグリーン化(Green by ICT)によるCO2排出削減効果は、スマートグリッドの導入や建造物のエネルギー管理の徹底、流通の合理化、各分野のペーパーレス化の推進等、ICTの寄与が不可欠な対策を実施することにより、2020年には最大で約1.5億トンになる可能性がある。これは1990年のCO2総排出量と比較した場合には約12.3%の削減効果に相当する。一方で、ICT機器などの使用によるCO2排出量については、2020年の特段の対策を講じないケースでは、分野全体の消費電力がICTのさらなる普及・浸透に伴い大きく増加するが、研究開発や普及のための実証(光通信ネットワーク技術、電波資源有効利用技術等)、ICT機器やデータセンターの省エネ、及びクラウドの推進等の対策を実施した場合には、2012年の排出量6とほぼ同水準の約3,000万トンまで抑制することが可能となる。  差し引きでのトータルのグリーンICTによるCO2削減効果は約1.25億トンとなり(図表2-1-2-1)、これは1990年度の日本のCO2総排出量の約10%に当たることから、グリーンICTが、温室効果ガス25%削減に大いに貢献する可能性がある。 図表2-1-2-1 グリーンICTによるCO2排出削減効果 総務省 グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース地球的課題検討部会(第5回)配布資料 「2020年におけるICTによるCO2削減効果(環境問題対応ワーキンググループ)」により作成 http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/global_ict/27876_2.html 6 総務省「地球温暖化問題への対応に向けたICT政策に関する研究会(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/chousa/ict_globalwarming/index.html)」にて推計した試算値