平成23年版 情報通信白書のポイント ■構 成 第1部 東日本大震災における情報通信の状況 第2部 特集 「共生型ネット社会の実現に向けて」 過去約10年を振り返り、ICTにより国民生活がどのように変わったか、そして今後どのように変わっていくかを展望 第1章:ICTにより国民生活はどう変わったか ○ICTインフラ、サービス環境の変化やそれに伴うライフスタイルの変化、社会課題の変遷について検証 第2章:浮かび上がる課題への対応 ○ICTの利活用をさらに進め、利用者本位の豊かな社会を実現するためには、どのような課題が残されているか、安心・安全への懸念の払しょく、デジタル・ディバイドの解消、地域におけるICT利活用の観点から検証 第3章:「共生型ネット社会」の実現がもたらす可能性 ○ソーシャルメディアをはじめとするICTの利活用が、人と人とのつながりや個人の不安、地域コミュニティの課題の解消等にどのような影響を与えるか検証、次世代ICT社会像として「共生型ネット社会」を提示 第3部 情報通信の現況と政策動向 第4章:情報通信の現況 平成22年度における総務省実施の承認統計・業務統計を中心に、日本の情報通信の現状を示す最新のデータを掲載 第5章:情報通信政策の動向 平成22年度における情報通信分野での最新の政策動向について、総務省の取組を中心に記述 第1部 東日本大震災における情報通信の状況 第2部 特集「共生型ネット社会の実現に向けて」 第1章 ICTにより国民生活はどう変わったか ○インターネットを重要な情報収集ツールと認識している人が増加。特に20代では5年で28.8%(平成17年52.3%→平成22年81.1%)増加。 ○60.8%の人が、インターネットの趣味・娯楽としての重要性を認識。新聞(55.9%)を抜き、テレビ(90.9%)に次ぐ地位に。 図表 年代別テレビ、インターネットの情報源としての重要性 図表 趣味・娯楽としての重要性 ○インターネットショッピング利用者の半数近くが検索を活用して購入するなど、検索→複数サイトの比較→ 口コミを参考に検討→購入などのインターネット特有の購買プロセスが一般化。 ○テレビを見ながら、携帯電話でメールやサイトを閲覧(64.9%)するなど、複数のメディアをまたぐ「ながら行動」が、10代・20代で一般化。 図表 インターネットショッピングにおける購買プロセスの変化 図表 インターネットショッピングの利用実態(購入スタイル・上位10項目) 図表 テレビ視聴との並行行動の実態 第2章 浮かび上がる課題への対応 ○不安感の払しょくのためには、情報活用能力だけでなく、安全性理解も必要。 ○情報活用能力は親が高いと子どもも高い傾向など、子どものICT利活用に対する親の影響は大きい。 ○親子間で家庭内ルールに認識差があるなど、親子間でICT利活用への意識には差がみられる。 図表 情報活用能力別の安全性理解と不安感(ネット活用全般) 図表 親の情報活用能力と子どもの情報活用能力 図表 ネットをめぐる家庭内ルール ○我が国のインターネット利用率は78.2%。デジタル・ディバイドは、高齢者及び低所得者を中心に存在。 ○オンラインコミュニティへの参加者は、約7割がネットで絆が再生したと回答するなど、社会関係を一定程度補完。 ○ネット利活用の課題として、「低廉化」や「使い勝手がよい端末」(高齢層)を求める声も多い。 図表 インターネット利用率 図表 インターネットで実現した絆の再生 図表 インターネット利活用の課題 ○地域においてICTを利活用したサービスは平均27.4%と進まず。費用、人材、ノウハウ、インフラに課題。 ○ICT利活用事業の実施団体と未実施団体では、ICT利活用について大きな意識差。利活用を進めるには、課題に対する解決策の提示と併せて、メリットの「見える化」を進めることが重要。 図表 ICT利活用事業の実施状況 図表 地域ICT利活用における課題 図表 ICT利活用における地域の課題解決の考え方 第3章 「共生型ネット社会」の実現がもたらす可能性 ○ソーシャルメディア利用者の約6割は複数を利用。 ○ソーシャルメディア利用に主にモバイル端末を用いる若者が利用を牽引。若年層ほど利用率、複数利用の割合が高い。ブログは世代を問わず利用が進み、掲示板は中年層、地域SNSは高齢層の利用率が高い。 図表 ソーシャルメディアの現在の利用数、利用経験(年代別) 図表 現在利用しているソーシャルメディアの種類(世代別、性別) 図表 ソーシャルメディアを主に用いる端末 ○利用者は多様な目的のためソーシャルメディアを使い分け。 ○ソーシャルメディア利用者の多く(36.8%)が、就職、育児、健康等身近な不安・問題を解決。 図表 ソーシャルメディアの利用目的(ソーシャルメディアの種類別) 図表 ソーシャルメディアを利用して実現したこと(すべてのソーシャルメディアを合計) ○利用者は、個人情報漏えい(ブログの場合で86.5%)、プライバシー侵害(同73.4%)等個人情報に不安を感じており、対処が必要。 ○不安を解消し、人と人が支え合い、国民の幅広い層の包摂が期待される「共生型ネット社会」を実現するためには、普及が進むソーシャルメディアの利用に伴う課題に利用者本位で取り組み、そのポテンシャルを最大限に引き出すことが必要。