(3)閲覧・発信に係る志向性の傾向  SNSが拡大し、情報メディアの利用時間が増加している中で、コミュニケーションに対する志向性はどのような傾向になったのだろうか。世代におけるコミュニケーションに対する志向性を軸として、「機械親和志向」、「つながり志向」、「感覚伝達志向」の3項目から検証する。 ●10代・20代に、「人と会って話すより、メールでやりとりする方が気楽だ」といった機械親和志向が強い傾向  コミュニケーションに対する機械親和志向性を年代別に見ると、SNSなどで発信利用に強い傾向がある10代、20代では、他の年代に比べて「人と会って話している時より、パソコンや携帯電話をいじっているときのほうが楽しい」、「人と会って話すより、メールでやりとりする方が気楽だ」といった機械親和志向が強い傾向があることが分かる(図表1-3-1-11)。 図表1-3-1-11 年代別機械親和志向 (出典)総務省「ICTインフラの進展が国民のライフスタイルや社会環境等に及ぼした影響と相互関係に関する調査」(平成23年) (「2010年日本人の情報行動調査」により作成) ●「いつも友人や知人とつながっているという感覚が好きだ」といったつながり志向が10代で突出  つながりに対する志向性を年代別にみると、10代、20代では、他の年代に比べて「人と一緒にいるのが好きである」、「いつも友人や知人とつながっているという感覚が好きだ」といったつながり志向が強い傾向があり、特に10代の意識が突出している(図表1-3-1-12)。こうした意識は、SNSの拡大の要因となっただけでなく、いつでもつながれる携帯電話の利用を拡大した要因とも考えることができる。 図表1-3-1-12 年代別つながり志向 (出典)総務省「ICTインフラの進展が国民のライフスタイルや社会環境等に及ぼした影響と相互関係に関する調査」(平成23年) (「2010年日本人の情報行動調査」により作成) ●「ことばより、絵や映像の方が自分の気持ちをうまく表現できる」という感覚伝達に対する志向性も10代・20代に強い傾向  感覚伝達に対する志向性を年代別にみると、10代、20代では、他の年代に比べて「ことばより、絵や映像の方が自分の気持ちをうまく表現できる」、「自分の意見や気持ちを文字で発信することに喜びを感じる」といった感覚伝達志向が強い傾向にある(図表1-3-1-13)。こうした意識は、発信の中でも、絵文字や写真などを利用した発信方法を使う傾向にも見られる意識である。 図表1-3-1-13 年代別感覚伝達志向 (出典)総務省「ICTインフラの進展が国民のライフスタイルや社会環境等に及ぼした影響と相互関係に関する調査」(平成23年) (「2010年日本人の情報行動調査」により作成) ●若年層を中心としてコミュニケーションに対する志向性が変化していると推測される  ブログやTwitter、SNS等の発展に合わせて、特に10代・20代では、発信志向が強くなるなど、「機械親和志向」、「つながり志向」、「感覚伝達志向」などのコミュニケーションに対する志向性が強くなる傾向があることが伺える。