(2)インターネットと依存 ●SNSへの依存傾向がある人は緩やかな基準で11.0%、厳し目の基準で3.8%  インターネットと依存との関係について、携帯電話向けSNSサービスの利用者を対象に、依存傾向について調査を実施した8。複数の質問に基づいて依存傾向を評価したところ、緩やかな基準(ヤングの基準)で依存と判断された人は11.0%、厳し目の基準(ベアードの基準)で依存と判断された人は3.8%であった。性別でみると、いずれにおいても女性の方が男性よりも依存傾向が強い結果となった(図表2-1-3-7)。 図表2-1-3-7 携帯電話SNS利用者の依存状況 (出典)橋元良明編「ネット依存の現状―2010年調査」(平成23年) (総務省・安心ネットづくり促進協議会「インターネット上の有害情報による青少年等の社会性への影響に関する調査研究」(平成23年)より) ●SNSへの依存による影響について、ネガティブな面だけでなく、ポジティブな面も  依存による影響については、「生活が夜型になった(62.1%)」、「視力が低下した(51.9%)」などのネガティブな面だけでなく、「毎日が楽しくなった(79.9%)」、「人にやさしくなれるようになった(38.1%)」等のポジティブな面についてもあることがみられた。いずれの場合も、携帯電話SNS利用による影響があったという回答は、依存傾向が高い人の方が多かった(図表2-1-3-8)。逆に、携帯電話SNS利用による犠牲としては、睡眠時間(65.1%)や勉強の時間(40.1%)という回答が多かった(図表2-1-3-9)。 図表2-1-3-8 携帯電話SNS利用による影響 (出典)橋元良明編「ネット依存の現状―2010年調査」(平成23年) (総務省・安心ネットづくり促進協議会「インターネット上の有害情報による青少年等の社会性への影響に関する調査研究」(平成23年)より) 図表2-1-3-9 携帯電話SNS利用による犠牲 (出典)橋元良明編「ネット依存の現状―2010年調査」(平成23年) (総務省・安心ネットづくり促進協議会「インターネット上の有害情報による青少年等の社会性への影響に関する調査研究」(平成23年)より) ●インターネットが青少年に与える影響は、必ずしも大きいとは言えないが、情報モラルを身につけさせるなどの対策は必要  今回の調査結果では、インターネットが青少年に与える影響のうち、ネットいじめについては、実際の加害経験、被害経験ともに学校でのいじめよりも低い結果となった。依存についても、厳し目の基準で依存と判断された人はそれほど多くはなく、依存の影響にはポジティブなものも含まれていた。 このように、ネットいじめの加害経験者、被害経験者、厳し目の基準で依存と判断された人の数は多くはなかったがインターネットは青少年が多く利用するメディアでもあるため、情報モラルを身につけさせるなどの対策は必要であろう。 8 大手SNSの利用者を対象に携帯サイトによる調査を実施し、56,272人の回答を得た。調査の概要については付注5参照