第2節 情報通信産業の動向 1 情報通信産業の経済規模 (1)市場規模(国内生産額) ●情報通信産業の市場規模は、全産業中で最大規模の約1割  平成21年の情報通信産業の市場規模(名目国内生産額)は87.7兆円で全産業の10.0%を占めており、情報通信産業は、全産業の中で最大規模の産業である(図表4-2-1-1)。その推移をみると、平成16年以降は増加傾向にあったが、平成20年には他の多くの産業と同様に減少し、平成21年は前年に続き減少している(図表4-2-1-2、図表4-2-1-3)。 図表4-2-1-1 主な産業の市場規模(名目国内生産額)(内訳)(平成21年) (出典)総務省「ICTの経済分析に関する調査」(平成23年) http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/link/link03.html 図表4-2-1-2 主な産業の市場規模(名目国内生産額)の推移 (出典)総務省「ICTの経済分析に関する調査」(平成23年) http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/link/link03.html 図表4-2-1-3 情報通信産業の市場規模(名目国内生産額)の推移 (出典)総務省「ICTの経済分析に関する調査」(平成23年) http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/link/link03.html  情報通信産業を、「コンテンツ・アプリケーション1」「プラットフォーム2」「通信3」「端末4」の4つの垂直的なレイヤー構造としてとらえ、各レイヤーの市場規模をみると、「コンテンツ・アプリケーション」が約33兆円、「プラットフォーム」が約5兆円、「通信」が約18兆円、「端末」が約19兆円という結果5になった(図表4-2-1-4)。このうち、コンテンツ・アプリケーションレイヤーにおけるBtoC EC、モバイルコンテンツ・コマース、SNS・ブログ関連、システムメンテナンス、更にプラットフォームレイヤーの大部分については、年平均で10%を超える成長分野となっている。 図表4-2-1-4 情報通信産業レイヤー別市場規模(名目国内生産額)(平成21年) (出典)総務省「ICT基盤の国際比較に関する調査研究」(平成23年)  一方、平成12年価格による平成21年の主な産業の市場規模(実質国内生産額)の推移をみると、情報通信産業は他の産業と同様に大きく減少している(図表4-2-1-5)。情報通信産業の市場規模(実質国内生産額)は、平成7年以降初めて減少しており、前年比4.3%減の125.7兆円であった(図表4-2-1-6)。なお、平成7年から平成21年までの年平均成長率は4.2%であった。 図表4-2-1-5 主な産業の市場規模(実質国内生産額)の推移 (出典)総務省「ICTの経済分析に関する調査」(平成23年) http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/link/link03.html 図表4-2-1-6 情報通信産業の市場規模(実質国内生産額)の推移 (出典)総務省「ICTの経済分析に関する調査」(平成23年) http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/link/link03.html 1 情報通信に関わるサービスやコンテンツの制作及び供給に関わる事業、情報通信システムに関するアプリケーションやソフトウェアの開発・運用等に関わる事業に該当する事業領域 2 ユーザー認証、機器(端末)認証、コンテンツ認証などの各種認証機能、ユーザー認証機能、課金機能、著作権管理機能、サービス品質制御機能などを提供する事業領域。なお、固定通信、移動通信、放送の各サービスに含まれるプラットフォーム機能(課金、認証等)はすべて「ネットワーク」へ、コンテンツやアプリケーションの専業事業者が担うプラットフォーム機能はすべて「コンテンツ・アプリケーション」へ、それぞれ便宜的に配分しているため、やや過小評価となっている 3 通信と放送を含むネットワークを経由した伝送事業に該当する事業領域 4 ユーザーが利用する情報通信端末の製造事業に関する事業領域 5 市場規模算定に際して用いたソースについては付注9を参照。なお、情報通信産業連関表における「情報通信産業」とは異なる手法により算定しているため注意を要する