（2）地上デジタルテレビ放送

　我が国においては、地上テレビ放送の完全デジタル移行（地上アナログテレビ放送の停波）が進められてきたが、諸外国においても多くの国々が2010年代半ばまでに地上テレビ放送の完全デジタル移行を計画している。
　オランダでは2006年12月に、ドイツでは2008年11月に、米国では2009年6月に地上アナログテレビ放送を完全停波しており、地上テレビ放送のデジタル移行は世界的な潮流となっている（図表4-8-1-4）。

図表4-8-1-4　諸外国における地上デジタルテレビ放送の開始時期等
総務省資料及び各国公表資料により作成

　地上デジタルテレビ放送の技術方式には、米国の技術方式であるATSC、欧州の技術方式のDVB-T、日本の技術方式であるISDB-T、中国の技術方式であるDTMBの4つの技術方式が存在する。日本のISDB-Tに関しては、ブラジルが2007年12月から、ペルーが2010年3月から、さらに、アルゼンチンが2010年4月から放送を開始している。このほか、中南米では、チリ、ベネズエラ、エクアドル、コスタリカ、パラグアイ、ボリビア及びウルグアイが、アジアではフィリピンがISDB-Tの採用を決定している。我が国は、他の中南米各国や南部アフリカ諸国等でのISDB-T採用に向け展開を図っている（図表4-8-1-5)

図表4-8-1-5　諸外国における地上デジタルテレビ放送日本方式の採用時期
総務省資料及び各国公表資料により作成