(4)韓国の情報通信政策の動向 ●新たにIT産業ビジョン2020を発表 ア 「ITコリア未来戦略」の推進  李明博政権の国家総合IT戦略として、未来企画委員会、放送通信委員会(KCC:Korea Communications Commission)及び知識経済部は、2009年9月、「ITコリア未来戦略」を発表した。ITが未来の成長エンジンとして発展するべく、[1]IT融合産業、[2]ソフトウェア、[3]主力IT機器、[4]放送・通信、[5]インターネットを5大中核戦略として育成し、2009年から13年までの5年間で189兆3,000億ウォン(約13兆6,300億円 内訳:政府14兆1,000億ウォン(約1兆200億円)、民間175兆2,000億ウォン(約12兆6,100億円))を投資するとしている。 イ 「放送通信未来サービス戦略」の推進  放送通信委員会(KCC)は、2010年5月、成長が有望視される10サービスを集中育成する「放送通信未来サービス戦略」を発表し、これらのサービス実現のためのR&Dに集中投資する方針を打ち出した。対象サービスは、[1]4G放送(36DTV/UHDTV)、[2]Touch DMB(WiBro+DMB)、[3]モバイル・コンバージェンス・サービス(4G)、[4]M2M、[5]ギガ級未来インターネット、[6]K-Star(放送通信衛星)、[7]スマート・スクリーン・サービス(クラウドとオープンメディアマーケットの活用)、[8]Next-Waveサービス(未来電波応用)、[9]認知型統合保安サービス、[10]統合グリーンICTサービスとなっている。 ウ 「IT産業ビジョン2020」の発表  知識経済部は、2010年10月、10年後の韓国のIT産業の青写真である「IT産業ビジョン2020」を発表した。具体的には、3大政策方向として[1]IT産業の躍動性強化、[2]全産業の成長活力再充電、[3]創意的成長基盤拡充を挙げ、それを実現するための10大政策アジェンダを用意した。2020年までにIT分野で輸出3,000億ドルを達成し、米国と中国に続く世界3大IT輸出国に跳躍するという目標を掲げている。