(2)限界生産性比較(国際比較)  産業別分析と同様に、情報資本と一般資本の限界生産性について、分析を行ったところ、米国、英国、オーストラリアにおいては、一般資本の限界生産性と情報資本の限界生産性の格差がほぼない段階にまでいたっている(図表1-4-3-2)。資本の移動に制約がなく、効率的な配分が行われるとすれば、限界生産性の高い分野にはより多くの収益機会を求めて投資が集まり、格差は縮小する。米国、英国、オーストラリアについては、限界生産性の高い分野である情報資本について投資が集まり、情報資本の蓄積が進捗したことで格差が縮小したことがうかがえる。 図表1-4-3-2 限界生産性の比較(国際比較) ※EU-KLEMSのデータ制約のため、日本は2006年までの数値となっている。また、ドイツは統一後の数値である。 (出典)総務省「ICTが成長に与える効果に関する調査研究」(平成24年)  しかしながら、我が国及びドイツについては、依然として大きな格差が存在している。特に、ドイツは、近年においても格差の縮小傾向が見られるものの、我が国については格差の縮小傾向に立ち止まり感が見られ、情報資本蓄積が低下傾向にある。