3 帰宅困難者の情報行動  東日本大震災においては、震災により多くの人が帰宅困難となったが、その局面において様々な情報収集行動を行っている。帰宅困難であった人が帰宅時に必要と感じたものについては、携帯可能なテレビ・ラジオ等が39.6%、携帯電話のバッテリーまたは充電池38.1%と、情報収集に必要な機器等が求められており、情報収集をすることが重要であったことがうかがえる(図表3-1-3-1)。 図表3-1-3-1 帰宅時に必要と感じたもの (出典)内閣府「帰宅困難者対策の実態調査」(平成23年)  では、実際どのような情報が必要とされたのだろうか。帰宅時に必要と感じた情報についてみると、家族の安否情報56.2%に次いで、地震に関する被害状況44.5%、鉄道・地下鉄の運転再開時間40.3%と続いている(図表3-1-3-2)。鉄道の運休や道路の渋滞により帰宅困難者となっており、鉄道・地下鉄の運転再開時間について高い割合になっていることは必然的と考えられる。  一方、情報の送り手であった交通機関の対応はどのようなものだったのだろうか。多数の帰宅困難者が利用していた首都圏のターミナル駅でどのような情報提供が行われたのかをみると、自社の鉄道の運休状況・再開に関する情報提供は100%、他社の鉄道の運休状況・再開に関する情報提供は94.9%と高い割合で情報提供が実施されていたことがわかる(図表3-1-3-3)。 図表3-1-3-2 帰宅時に必要と感じた情報 (出典)内閣府「帰宅困難者対策の実態調査」(平成23年) 図表3-1-3-3 震災時における駅利用者への対応 (出典)内閣府「帰宅困難者対策の実態調査」(平成23年)