(5)総務省の取組-G空間×ICT推進会議の開催- 総務省では、ICTが質量ともに劇的に変化・進化している中、空間情報と通信技術を融合させ、暮らしに新たな変革をもたらすため、平成25年3月より「G空間×ICT推進会議」 23 を開催し、検討を行ってきている。 同会議では、新たな産業・サービスの創出による経済の再生、世界最先端の防災システムの構築、先進的・先導的な手法による地域活性化を実現するためのアプローチとして、以下の3つのプロジェクトを提案している(図表1-1-2-19)。 図表1-1-2-19 G空間情報のICTによる高度な利活用 (出典)総務省「G空間×ICT推進会議」(第4回)資料 第1のプロジェクトは、「G空間オープンデータ・プラットフォームの構築」である。G空間情報は、他の情報と組み合わせて多種多様なサービスを提供するための基盤の一つであり、政府や自治体が保有するG空間情報のオープンデータ化や、民間が保有するG空間情報との連携など、散在するG空間関連データを円滑に利用するためのプラットフォームの構築や、自治体が保有するG空間情報の多目的利用の推進に向けたベストプラクティス集の作成、自治体と公益事業者等の連携モデルの構築等を行っていくものである。 第2のプロジェクトは、「世界最先端のG空間防災システムの構築」である。G空間情報をリアルタイムにデータ分析し、準天頂衛星システムのメッセージ機能も含めた多様な伝達手段を活用して、一人一人に的確な情報提供を行うモデルシステムの構築や無人・リモート操作の災害対応ロボット等の高度な防災システムの開発、導入等を行っていくものである。 第3のプロジェクトは、「『G空間シティ(仮称)』による成功モデルの実現」である。関係府省と連携し、交通・農業の高度化等のための先進的・先導的なG空間×ICTの利活用モデルの構築や国際競争力の強化、国際展開の促進のため、ASEAN地域を中心とした海外でのG空間×ICTの実証プロジェクトの実施を行っていくものである。 なお、(株)野村総合研究所が同推進会議に提出した試算によると、G空間関連市場 24 の市場規模は、2012年度(平成24年度)では19.8兆円であるところ、今後、2020年度(平成32年度)には、現状をそのまま敷衍すると32.3兆円となるが、G空間情報の円滑な利活用が可能となるオープンなプラットフォームの構築や、先進的・先導的な利活用モデルの構築による新産業・新サービスの創出により、最大で62.2兆円まで拡大するものとされている(図表1-1-2-20)。 図表1-1-2-20 G空間関連市場規模 (出典)総務省「G空間×ICT推進会議」(第4回)資料 23 http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/gkukan-ict_suishin/index.html 24 売上高ベース。なお、平成24年度(2012年度)の我が国の総売上高は、1302.3兆円(総務省・経済産業省「平成24年経済センサス-活動調査(速報)」(平成25年1月29日))