(3)ビッグデータ蓄積量の推計結果 次に、ビッグデータ蓄積量の推計結果について述べる。先述したとおり、データ蓄積量の推計を行うにあたっては、企業内外に設置されているサーバーに保存されているすべてのデータを計量対象としている。そのため、データ流通量の推計においては、計量対象とするデータが17種に限定されているのに対し、蓄積量の推計では、企業内外のサーバーに保存されているすべてのデータを対象にしており、流通量推計には含まれていない諸データも蓄積量推計には含まれおり、計量対象データの範囲が蓄積量の方が広い点に留意する必要がある。したがって、データ流通量推計とは統計のカバレッジが異なることに留意されたい。 推計の結果、2012年のビッグデータ蓄積量(9産業計) 26 は、2012年時点で約9.7エクサバイトとなった 27 。 データ蓄積量を産業別でみると、商業、サービス業のデータ蓄積量が他産業に比べて多い。また社内外の蓄積割合をみると、金融・保険・サービス業は、社外サーバーへのデータ蓄積割合が他産業に比べて高いことが特徴的である(図表1-3-2-11)。 図表1-3-2-11 ビッグデータ蓄積量(産業別、2012年) (出典)総務省「情報流通・蓄積量の計測手法の検討に係る調査研究」(平成25年) 26 蓄積量についても、農林水産業及び鉱業は推計に必要な量のデータが取得できなかったため、推計対象から除外した。 27 Hilbert and Lopez(2011)の推計によれば、2007年時点で全世界のデジタルストレージ(パソコンのハードディスク、DVD、CD等)の容量は276エクサバイトである。Hilbert and Lopez(2011)の推計は、デジタルストレージを対象に、全世界の潜在的な蓄積量を推計したものと解釈出来るが、今回の分析で推計されたデータ蓄積量(9.7エクサバイト)は、Hilbert and Lopez(2011)の推計値の3.5%程度となる。