(3) 電子政府推進にかかる諸外国の動向 電子政府戦略については、世界各国で行政の効率化、行政の透明性の向上、公共サービス向上等の視点から取組が進んでいる。また、電子政府は、「人々の成長のエンジンたり得る。電子政府の提供により、公共サービスは反応が早く、市民中心で、社会的に包摂した形でデザインされる。政府はまた一般参加型のサービス提供プロセスを通じて市民を取り込んでいく。」とされ 1 、各国の民主主義社会の形成にも重要と認識されている。 ここでは、電子政府の成功事例として国際的に評価されているデンマークと韓国の事例 2 に関して、その特徴について述べる。 ア デンマーク 3 デンマークでは、国民の高い税負担に基づく高福祉国家として、社会保護給付、医療・介護サービス、育児・教育支援など高水準の社会保障サービスを提供している。人口規模は約560万人(2013年)で、日本の都道府県でいうと兵庫県と同規模である。同国においては、政府財政は金融危機を転機に2008年第4四半期には赤字に転落し、政府債務残高(国及び地方)も上昇しており、社会保障についても削減を検討している。また、同国においても高齢化の進展に伴い人手不足が生じている。このような中で、電子政府については、行政コスト削減の視点から期待されており、政府の強いイニシアティブのもと、ICTを社会全体の効率化に向けて効果的に活用してきた。 また、デンマークにおいては、産業政策・イノベーション政策において、ユーザードリブンのアプローチが新たな価値創造に結びつくとの認識に立って、ユーザードリブン・イノベーションの方向性を明確に打ち出しており、電子政府についても同じ思想が貫かれているといわれる。後述する市民ポータル「Borger.dk」の開発において、ユーザーが様々なステークホルダーとともに、技術開発や評価などのデザイン・プロセスに能動的に関与しシステム使用等を決定する「参加型デザイン」のアプローチが採用されている 4 。2007年から運用が開始された「Borger.dk」は総合情報サイトとして、全市民を対象に、必要とする諸手続をポータルですべて済ませることが可能となっており、同国の電子政府の成功事例としてしばしば参照されている。 デンマークの電子政府の成功要因としては、政策のイニシアティブの存在、共通番号制度の早期整備、市民ポータルサイト「Borger.dk」に代表されるユーザー目線のサービスが指摘されている。以下、電子政府推進の経緯及び市民ポータルサイド「Borger.dk」と、同国の電子政府の発展に重要な役割を担ったとされる共通番号制度について述べる。 (ア) 電子政府推進の経緯 デンマークの電子政府戦略は、@2002年に公表された「電子政府に向けてーデンマークの公的部門におけるビジョンと戦略」、A2004年に公表された「新電子政府戦略」、B 2007年に公表された「電子政府戦略 2007-2010」の3段階で進展してきた。@では、地方自治体、地方行政区、国などの公共部門を連携する共同デジタル化(GtoG)を実行した。Aでは、各公共部門内(InG)のデジタル化が推進され、Bでは「国民のためのより良いデジタルサービスの開発」、「国民と行政、社会全体の効率性の向上」、「デジタル化推進に向けた協力体制の強化」の3つの目標を掲げて、行政と企業(GtoB)、行政と国民(GtoC)との間をデジタル化し、国民目線のよりよいサービスの構築へと段階的にシフトしてきた点が特徴といわれる 5 。 2011年8月には、「電子政府戦略2011-2015」が公表された 6 。本戦略では、「デンマークの公共セクターは、IT及び新技術の採用において世界のリーダーである。」とし、「我々のリーダーとしての地位を利用し、未来の福祉サービスに向けて次のステップを踏み出さなければならない。」として、以下の3つの目標を掲げている 7 。 ・デジタル・コミュニケーション:行政手続において紙による申請と郵送をやめ、市民も企業も2015年までに全面ペーパーレス化する(ただし高齢化や情報格差の問題には対応)。 ・ニュー・デジタル・ウェルフェア:義務教育・医療・社会福祉・雇用などでICTを新たな福祉技術として活用し企業の高い成長率を実現する。 ・デジタルインフラ:公的データの活用など、政府のデジタル化の推進。 特に、デジタル・コミュニケーションについては、段階的に2015年までに公的機関の諸手続を電子手続で、セルフサービスによって行うことを、ICTを使いこなせない市民に対しては窓口の対面サービスを行うなど高齢者や情報弱者に対する配慮を行いつつ、原則として義務づける方向となっている。このような、紙の使用を原則撤廃しデジタル化を強制するという政策を推進できる背景として、デンマークでは、ICTによる効率化による財政負担軽減が国民に広く認知され、デジタル化に国民のコンセンサスがほぼできあがっている点が指摘されている(図表2-1-1-13)。 図表2-1-1-13 公的機関の諸手続のセルフサービスへの移行計画 (出所:デンマーク政府) (出典)「ユーザーが高める情報システムの価値」(砂田薫 情報システム学会誌Vol.7 No.2 21ページ) (イ) 市民ポータルサイト「Borger.dk」 市民ポータル「Borger.dk」は、行政の総合オンラインサービスである(図表2-1-1-14)。2007年から運用が開始された「Borger.dk」は、住宅・子供・年金・暮らし全般にわたる総合情報サイトとして提供され、引っ越し関係の手続き等について、国の諸機関や地方自治体の業務連携が図られワンストップで行うことが可能であるとともに、育児・学校・教育・年金など、全市民を対象に、必要とする諸手続をポータルですべて済ませることが可能となっている。 図表2-1-1-14 市民ポータル「Borger.dk」サイト (出典)諸外国における国民ID制度の現状等に関する調査研究(平成24年) 同ポータルは、行政の一元窓口機能を担っており、中央政府の省庁、地方行政区、地方自治体の各システムがポータルの背後でバックオフィス連携することで、市民生活に関連する情報やサービス(税金、医療、社会保障、それらに関連する法律、健康・レジャー情報など)が一元的に提供されている。 また、同ポータルでは、2008年からカスタマイズ機能が追加されていき、「マイページ」では複数の行政機関に蓄積されている個人や家族に特定された情報を見ることができる。過去の申請の確認だけでなく、これから申請が必要な手続きとその期限、受け取る年金や申し込みができる助成金、育児休暇の取得可能日数など、市民一人ひとりのニーズに対応したオンラインのセルフサービスが実現している。 引っ越し関係の手続きの例をあげると、デンマークの医療制度では住んでいる地域でかかりつけの医師を決めておくことが定められているため、引っ越しをすると新しい医師を地元で選ぶ必要が生じる。市民ポータルには新しい住所近辺の地図と診療所の所在地が表示されるので、利用者はそれをクリックして医師のプロフィールや受け入れ可能かどうかを確認したうえで、オンラインで申し込むことができる。引っ越しに限らず、子供の育児、学校・教育、年金など、在住外国人を含む全市民を対象に、必要とする情報閲覧や申請手続きはすべてポータルを使って済ませることができる。 (ウ) 共通番号制度(CPR) デンマークでは、CPR(Central Persons Registration)番号と呼ばれる個人識別番号が用いられており、デンマーク市民がポータルにアクセスして自分の情報の確認や各種申請手続を行う際には、この番号とワンタイムパスワード(認証のために一度しか使えない、いわば「使い捨て」型のパスワードのこと)入力によるデジタル署名「NEM-ID」を使用して個人認証を行っている(図表2-1-1-15)。本ポータルのように利便性の高いサービスが実現できている要因として、共通番号制度の早期整備を指摘することができる。デンマークでは、1924年から全市民の名前、住所、家族構成、生誕地などの記録が登録され、当時は地方自治体により管理されていたが、1960年代にはその登録情報の利用需要が増え、個人IDの必要性が高まった。このため、1968年にCPR(Central Persons Registration)番号と呼ばれる共通番号制度が作られた。CPR番号システムが構築されると、それまで地方自治体によって手動で管理されてきた登録情報はすべてCPRに移行され、デンマーク市民全体の登録情報が一元的に管理できるようになった。同制度は、導入当初は公的利用のみが想定されて作られた番号であったが、次第に個人証明としても利用されるようになったという経緯がある。1970年には、税の徴収事務を確実かつ効率的に、公平に処理するため、納税者番号としてCPRが活用され、その後医療、健康分野、市民生活全般に関わる行政サービスへと利用が広がった。このようなCPRを活用して、個人識別番号とデジタル署名という個人認証インフラを利用して、使いやすいポータルサイトを構築している。現在、CPRがもっとも活用されているのは電子政府サービスであり、上記の「Borger.dk」のほか、企業ポータル「Virk.dk」、税金ポータル「Skat.dk」、医療・健康ポータル「Sundhed.dk」、教育ポータル「EMU.dk」がある。 図表2-1-1-15 デンマークのポータルシステムの構成 (出典)「デンマーク電子政府の試み」(安岡美佳、鈴木優美 海外社会保障研究Autumn 2010 No.172)18ページ CPRシステムについては、その後のデンマークの電子政府の発展の基礎になっているとの評価がある。また、同国では、CPRを病院や銀行、電話の契約など民間サービスにも活用し、利便性を高めている。 イ 韓国 韓国は、1997年のIMF危機以降、ICT政策を国家戦略的課題と設定し重点的取組が進められている。電子政府についても、国内の電子政府推進と海外への電子政府システム輸出戦略を組み合わせ、公共政策と産業政策を連動させつつ推進しており、国連の電子政府ランキングで1位となるなど国際的にも高い評価を受け、韓国ブランドの向上を図る一方、電子政府システム輸出を大幅に増やすなど、成果を上げている。また、電子政府については、韓国の民主化の流れにおいて重要な役割を果たしてきたという指摘もある 8 。 韓国の特徴としては、@特に盧武鉉大統領時代にトップダウンにより電子政府が行政改革の一環として強力に推進されたこと、A電子政府法においてICTが利用できる場合はそれが前提となったサービスの提供等が義務づけられていること、Bデータ統合や標準化への対応が進んでいること、C共通番号制度(住民登録番号制度)が1968年から存在しており、ICT社会の構築が進む過程で官民の電子サービスにおける個人証明の社会インフラとして活用されてきたこと 9 、D電子政府システム輸出戦略と密接に連動していることなどがあげられる。また、近年では、スマートフォンの活用を意図した「スマート電子政府」や、ビッグデータ活用の方針を打ち出すなど、最新のICTトレンドの取り込みにも積極的な姿勢を見せている。以下、電子政府推進の経緯、スマート電子政府構想、電子政府輸出戦略の動向について紹介する。 (ア) 電子政府推進の経緯 韓国では、2000年以前は省庁別に情報化に取り組んでいたが、金大中大統領政権時の2001年に電子政府を本格的に開始し、全政府レベルでの対応を強化した。すなわち、電子政府11大課題として@国民や企業のサービスイノベーション、A行政の生産性の構築、B電子政府基盤の構築について課題を設定、取組を開始した。また、電子政府法を制定し、電子政府サービスの提供・活用など電子政府の実現にかかる行政機関等の責務について法律で明確にするなど、韓国の電子政府への基盤をつくったといわれている(図表2-1-1-16及び図表2-1-1-17)。 図表2-1-1-16 韓国の電子政府推進の経緯 (出典)総務省「韓国におけるICT政策に関する調査研究」(平成25年) 図表2-1-1-17 電子政府法の主な規定内容 盧武鉉大統領政権に移行した2003年には、電子政府を政府改革・行政改革の主軸と位置づけ、対象をほぼすべての行政部門に拡大した。具体的には、電子政府31大課題として、@働き方の革新、A国民へのサービスの革新、B情報資源管理技術革新を設定し、電子政府ロードマップを作成しつつ、電子政府委員会の権限を強化し、トップダウンで電子政府を推進したといわれている。同政権では、「腐敗のない社会・奉仕する行政」をスローガンとして掲げ、電子政府は政府革新を推進する手段として位置づけ、行政改革など政府革新の他の取組と並行して電子政府を推進したといわれている。また、従前は個々の業務機能を中心とした、サービス提供者中心の情報化であったため、国民の側に利便性が向上したという実感は高くなかったといわれており、これに対して各省庁、地方自治体等のシステムの連携、統合を進めるとともに、行政情報の共同利用の拡大や電子手続の推進やポータルサイトの整備など国民の利便性向上に努めている。 李明博大統領政権に移行し、電子政府を国家情報化に拡大し、経済の活性化や社会の安全強化などその範囲を広げるとともに、モバイル端末の電子政府への活用など、新たな技術の取り込みにも積極的に対応を進めてきている。 (イ) スマート電子政府構想 韓国においても、スマートフォンの普及が2012年12月現在、3003万台、全国民の60%に達する 10 など、急速にスマートフォン等への移行が進んでいるが、このような、スマートフォンやタブレット端末の普及等現在急速に進展しているICTの環境変化に対応し、国民が様々な端末を通じて、自由に必要なサービスをオーダーメイドで利用して参加・交流できる先進的な政府の実現を目指す「スマート電子政府構想」を2011年3月に公表、推進している(図表2-1-1-18)。 図表2-1-1-18 スマート電子政府の概要 (出典)総務省「韓国におけるICT政策に関する調査研究」(平成25年) 「スマート電子政府」とは、「進化したIT技術と行政サービスの融合を通じて、いつ、どこであっても、媒体に関係なく、国民が自由にサービスを利用でき、国民の参加とコミュニケーション活性化を実現する先進的な政府」として定義されている(Seamless、Mobile、Anytime、Realtime、Togetherの頭文字をとってSMARTとする)。同構想を通じて、スマートフォン・タブレット端末の普及等急速な環境変化に能動的・積極的に対応することで、先進的な電子政府国家としての地位を維持し、同時に国民の利便性も高めるという目標を掲げている。 具体的な推進計画(モバイル電子政府サービス中長期計画:2011年8月)においては、「モバイル電子政府サービスロードマップによる事業推進(モバイル化を進めるサービスの選定・推進等)」、「政府共通モバイル基盤構築及び標準化の推進(モバイル電子政府支援センターの設置等)」、「モバイルサービスの阻害要因の分析及び解決策の提供(行政手続のスマートフォン対応に向けて制度的対応も含め検討)」、「モバイルサービスのセキュリティ検討」を推進事項として掲げており、これを受けて、韓国の政府申請ポータルサイトの「民願24」など、様々なサイトで既にスマートフォンに対応する形式で情報発信を実施している。 一例を挙げると、建築申請や営業許可申請などの際の許認可申請を支援するため、スマートフォンアプリ「認許可自己診断システム」を開発・提供している。これは、法制度の案内や各種行政情報(GIS、建築物管理台帳など)を連携させて、申請者側で申請前にに当該許認可が可能かどうか自己診断を支援するサービスである。許認可申請の際には従来は司法書士や行政書士など専門家に申請手続きを依頼するのが一般的であったが、このアプリの提供により、申請者は、アプリ上で住所情報を入力すれば法令や規制などを総合的に調べた上で最適なアドバイスを受けることができ、人気が高いとのことである(図表2-1-1-19)。 図表2-1-1-19 各種スマートフォン対応の例 (出典)総務省「韓国におけるICT政策に関する調査研究」(平成25年) (ウ) 電子政府システム輸出戦略の推進 韓国の電子政府政策の特徴として、電子政府システムの海外輸出に積極的に取組、電子政府推進という社会的課題解決の取組を自国の経済成長・国際競争力強化と有機的に連動させていることがあげられる。 韓国の電子政府システム輸出は、2010年、2012年の国連の電子政府ランキング連続1位のブランド力を生かし、2012年には3億4千万ドルに達し、2007年から2012年の5年間で約35倍に増加している。2012年には、調達・通関などの従来の輸出品目に加えて、政府行政網、電子住民証、交通、災害管理などに輸出品目が多様化するとともに、対象地域についても、2011年には東南アジアが5割以上を占めていたのに対し、世界の各地域に広がっている。また、従来のODAなど政府資金とリンクした輸出から、2012年には輸入国側が資金を負担する事業(国際機関事業を含む)が大幅に増加しており、同国では国際競争力向上の結果と評価している 11 (図表2-1-1-20〜図表2-1-1-22)。 図表2-1-1-20 韓国の電子政府システムの輸出額推移と国連電子政府ランキングの推移 (出典)韓国行政安全部報道資料、国連電子政府評価より作成 図表2-1-1-21 韓国の電子政府輸出の地域別比率 (出典)韓国行政安全部報道資料より作成 図表2-1-1-22 韓国の電子政府システム輸出の資金別内訳 (出典)韓国行政安全部報道資料より作成 同国の輸出戦略の特徴としては、@政府間協力(政府の意思決定者を招待したソリューション紹介)、A相手国への資金援助(相手国の政府予算が期待できない場合ODAなど各種援助を活用)、B相手国の人材育成(制度面のノウハウは韓国政府、ICTスキルは民間企業が研修を実施)などについて、官民が緊密に連携して輸出促進を行っている点があげられよう。例えば、政府等の輸出支援情報を集めて提供する輸出支援ホームページが同国の情報化振興院により構築、運営されている(図表2-1-1-23)。 図表2-1-1-23 電子政府輸出支援ホームページ(平成25年5月23日現在) (出典)総務省「韓国におけるICT政策に関する調査研究」(平成25年) 1 United Nations “E-Government Survey2012” Foreword参照。 2 国際電子政府カンファレンスIFIP ECOV2012 & ePart2012では、e-Governmentの総括として、成功と失敗に関する研究報告が行われたが、成功事例としてデンマークと韓国の事例が取り上げられている。(「電子政府のグローバルな最新動向について」榎並利博 行政&情報システム 2013年2月号) 3 本項は、「諸外国における国民ID制度の現状等に関する調査研究報告書」(2012.4 総務省委託研究)のほか、「世界最先端:デンマーク政府の電子政府推進における体制と戦略」(庄司昌彦、猪狩典子、砂田薫 行政&情報システム 2012年2月号)「ユーザー中心」で創るデンマークの電子政府(猪狩典子 GLOCOM 智場interplace#117 March 2012)、「ユーザーが高める情報システムの価値~デンマークの電子政府を事例として~」(砂田薫 情報システム学会誌Vol.7, No.2)、「デンマークの電子政府戦略」(石黒暢 IDUN Vol.20 2012)、「デンマーク電子政府の試み」(安岡美佳、鈴木優美 海外社会保障研究Autumm2010 No.172)により作成した。 4 具体的には、「Borger.dk」では、「ペルソナ」といわれる手法が利用されている。ペルソナとは、定量的・定性的なデータに基づきいくつかの典型的な架空の人物像を描き、想定された人物が満足するデザインを導き出す手法で、デンマークでは、政府が統計局のデータに基づき12人のペルソナを設定し、その内容は約80ページに及ぶ報告書にまとめられ、現在に至るまで「Borger.dk」構築の開発・運用・評価などさまざまなシーンで活用されているという。(「『ユーザー中心』で創るデンマークの電子政府-市民ポータル『Borger.dk』からの考察」(猪狩典子 智場 Intelplace #117 March 2012 129ページ参照) 5 「世界最先端:デンマーク政府の電子行政推進における体制と戦略」(庄司昌彦、猪狩典子、砂田薫 行政&情報システム 2012年2月号)32ページ参照。なお、同国の電子政府戦略の特徴として、このほかに、明確な数値目標を達成する期日を定めそこに向けて強力に施策を進めること、デンマーク政府がデジタル化を通じて組織や社会全体の利便性向上を実現するだけでなく「組織の改革」や「社会全体の効率化」により重点を置いていること、教育や医療といった分野ごとにITを主軸とした国家戦略があることも指摘されている。 6 http://www.digst.dk/Servicemenu/English/Policy-and-Strategy/eGOV-strategy 7 前掲 庄司・猪狩・砂田2006 32ページ参照。「デンマークの電子政府戦略 -行政の効率化と市民サービス向上の試み-」(石黒 暢 IDUN Vol.20 2012)121ページも同旨。 8 「電子政府・電子自治体への戦略」(廉宗淳 時事出版社)、「盧武鉉政府における電子政府推進の背景について」(廉宗淳 ITPRO 再入門:韓国の電子政府) 9 住民登録番号については、無断収集・提供やハッキングによる流出などのトラブルが多発したことを受けて、2011年に個人情報保護法が制定され、住民登録番号の収集、使用が制限され、インターネット上の認証用に開発されたI-PIN(Internet Personal Identification Number)の普及が進められている。 10 2012年12月21日に発表された韓国SKテレコムの移動通信加入者統計資料による。 11 2012年12月17日韓国行政安全部報道発表