(2)新たな産業の創出の低迷 我が国のICT産業は、欧米、韓国企業と比して、売上高は十分な規模を持っていると考えられるが、収益率が大きく見劣りしている。 図表3-3-1-9において、大きな収益率を確保している社は、OS及びパッケージソフト(マイクロソフト)、リレーショナルデータベース(オラクル)、インターネット検索(グーグル)、ビジネスマネージメントソフトウェア(SAP)、ルーター(シスコシステムズ)、CPU(インテル)、ダウンロードサービスと大容量音楽プレイヤーの組み合わせ及びタッチパネル型スマートフォン(アップル)など、破壊的イノベーションにより新たな事業・産業を創出し、その事業領域で極めて強い競争力を持ち、デファクトスタンダードとなっている企業がほとんどである。 図表3-3-1-9 日本の製造業(エレクトロニクス・ICT)の売上高・利益率 (出典)総務省情報通信審議会情報通信政策部会イノベーション創出委員会中間とりまとめ(三菱UFJリサーチ&コンサルティング「IT産業の社会インフラ分野への国際展開調査」、各社決算情報から経済産業省作成) 一方、我が国では革新領域への投資が低迷しているためか、新たな産業の創出につながっていない(図表3-3-1-10)。 図表3-3-1-10 革新領域からの成果(革新的成果)の日米比較 (出典)総務省情報通信審議会情報通信政策部会イノベーション創出委員会中間とりまとめ(「日本企業のイノベーション実態調査〜「成長企業」の創出に向けて〜」(2013年1月)デロイトトーマツコンサルティング株式会社、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー株式会社)