(3)ニーズの変化への対応の遅れ これまでの社会的ニーズは、「不足を補うこと」、「効率を向上すること」、「より良いもの・快適なものを得ること」など、足りないものやより優れたものを得る、もしくは得やすくすることが中心であった。 しかしながら、21世紀に入り、「欲しいものが無い」という、いわゆる「モノ余りの時代」となり、社会的ニーズがSNSやTwitterの隆盛に代表されるように「コミュニティの構築や共感を得ること」などに急速に変化したものと思われる。しかしながら、グローバルな視点、長期的なビジョンの視点といった総合的な視点が不足していたため、いち早くニーズの変化に追従できず、さらにこれらのニーズを満たすサービスはインターネット経由で提供できるものであったことから、結果的に米国企業の先行を許してしまっている。 また、このニーズの変化は、「モノ」すなわち製品により満たされるものから、サービスにより満たされるものへの変化であったことから、ものづくり中心の我が国経済の成長が低迷した原因の一つと考えられる。