6 その他の研究開発 (1)ユニバーサル・コミュニケーション基盤技術 NICTでは、真に人との親和性の高いコミュニケーション技術を創造し、国民生活の利便性の向上や豊かで安心な社会の構築等に貢献するため、次の技術の研究開発を推進している。 ア 多言語コミュニケーション技術 多言語コミュニケーション技術とは、日本語と複数の他の言語との間で、話し言葉を自動的に翻訳するために必要な技術である。平成24年度については、多言語音声翻訳の研究をグローバルに推進するため、NICTの呼びかけにより組織された、世界各国の研究機関が参加する国際研究コンソーシアム「U-STAR(The Universal Speech Translation Advanced Research Consortium)」において、世界規模の音声翻訳研究が開始された。 イ コンテンツ・サービス基盤技術 コンテンツ・サービス基盤技術とは、インターネット上で膨大な情報コンテンツやサービスの中から価値のあるものを発見し、効率的な意思決定支援や利活用を支援するために必要な技術である。平成24年度については、情報分析技術システムの改良を進め、より高度な文章の意味解析を高速に処理することを可能とした。 ウ 超臨場感コミュニケーション技術 超臨場感コミュニケーション技術とは、真にリアルで、人間に優しく、心を豊かにする意思伝達を可能とするための、三次元映像・立体音響・五感情報伝達を一体的に実現する技術である。平成24年度については、視差や奥行き情報を高速に取得する3次元カメラで撮影した映像を効率的に伝送するための方法の改良、電子ホログラフィの表示サイズ拡大技術の確立に向けた表示装置の試作・改良、映像・音響・香りなどの多感覚情報を違和感なく自然に体験できる装置の改良などを行った。