(3)国内におけるパーソナルデータの利用流通に係る政策動向 平成25年6月に閣議決定した「世界最先端IT国家創造宣言」において、ビッグデータを活用した新産業・新サービスの創出を促進する上で、特に利用価値が高いと期待されている「パーソナルデータ」の取扱いについては、@その利活用を円滑に進めるため、個人情報及びプライバシーの保護との両立を可能とする事業環境整備を進めること、Aまた、環境整備に当たっては、プライバシーや情報セキュリティ等に関するルールの標準化や国際的な仕組作りを通じた利便性向上及び国境を越えた円滑な情報移転が重要であり、OECD等国際交渉の場を活用し、国際的な連携を推進すること、B既に、スマートフォンの利用者情報の取扱いなど先行的にルール策定が行われた分野については、取組の普及を推進することが盛り込まれている 13 。 これを受けて、同年6月にはIT総合戦略本部の下に「パーソナルデータに関する検討会」 14 が設置され、@パーソナルデータの利活用の基本的枠組みの明確化、Aパーソナルデータの利活用ルールの在り方、Bパーソナルデータの保護を有効に機能させるための仕組みの在り方、C独立した第三者機関の設置についての考え方の整理等について検討が行われ、同年12月20日のIT総合戦略本部において「パーソナルデータの利活用に関する見直し方針 15 」が決定された。同方針では制度見直し事項として、@第三者機関(プライバシー・コミッショナー)の体制整備、A個人データを加工して個人が特定される可能性を低減したデータの個人情報及びプライバシー保護への影響に留意した取扱い、B国際的な調和を図るために必要な事項、Cプライバシー保護等に配慮した情報の利用・流通のために実現すべき事項が示されている。 その後、同方針に基づき、詳細な制度設計を含めた検討が行われ、本年6月24日のIT総合戦略本部において、「パーソナルデータの利活用に関する制度改正大綱」が決定された。今後、パブリックコメントを経て関係法案の作成に着手し、平成27年1月以降、可能な限り早期に関係法案を国会に提出するとしている。 13 総務省では、平成24年1月以降に「利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会」において、スマートフォンを安心・安全に利用できる環境を整備するため、利用者情報の適正な取扱いのあり方等について検討を行った(詳細は第6章第3節1を参照)。 14 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/pd/ 15 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/pdf/dec131220-1.pdf