(2) 健康医療分野におけるICT利活用の推進 ア 医療情報連携ネットワークの意義 医療機関等の保有する患者・住民の医療・健康情報を、クラウド技術を活用して、安全かつ円滑に記録・蓄積・閲覧することを可能とする医療情報連携ネットワークは、患者・医療機関等の負担を軽減するとともに、地域医療の安定的供給、医療の質の向上、さらには医療費の適正化にも寄与するものである(図表6-4-1-2)。 図表6-4-1-2 医療情報連携ネットワークの概要 イ 「医療情報連携基盤高度活用事業」における取組事例 総務省は、超高齢社会を見据えた安心・安全な医療ICTサービスの実現に向け、厚生労働省と連携し、平成25年度に「医療情報連携基盤高度活用事業」において、在宅医療・介護分野における情報を異なるシステム間で情報共有するための情報連携基盤を構築し、情報共有にかかる課題解決に向けた実証を実施した。 ウ 東北地域医療情報連携基盤構築事業(「東北メディカル・メガバンク計画」)における取組事例 東日本大震災においては、津波により、病院に保管されていた紙カルテが消失し、患者の病歴や過去の診療情報が失われ、被災地域における適切な医療の提供が困難になったといった事例が報告され、医療情報連携ネットワークの重要性が注目された。これを受けて総務省では、厚生労働省及び文部科学省との連携の下、「東北メディカル・メガバンク計画 1 」の実現に向け、平成23年度より、被災地域の医療圏において、医療情報連携ネットワークの構築を財政的に支援する措置を講じている。 1 被災地の住民の健康・診療・ゲノム等の情報を生体試料と関連させたバイオバンクを形成し、創薬研究や個別化医療の基盤を形成するとともに、地域医療機関等を結ぶ情報通信システム・ネットワークを整備することにより、東北地域の医療復興に併せて、次世代医療体制を構築する計画