(2)通信料金の推移 最後に、通信自由化以降の30年で、利用者が通信サービスを利用する際の料金はどのように変化したのだろうか。ここでは、日銀の企業向けサービス価格指数 4 (2005年基準)に基づき1985年から2014年までの主な通信料金の推移を、1985年を100としてグラフ化した。これをみると、特に移動通信サービス(携帯電話及びPHS)の料金低廉化が著しい。固定電話やインターネット接続サービスの料金についても、2005年頃まで低廉化が進んでいる。近年に限ると料金は横ばいに近づきつつあるが、期間全体としては、事業者間の競争の結果、通信料金の低廉化が進んだことがわかる(図表1-2-2-2)。 図表1-2-2-2 通信料金の推移(出典)日本銀行「企業向けサービス価格指数(2005年基準)」に基づき総務省作成 ここで、携帯電話通話料金を例にとって、利用者料金の推移を国際比較してみよう。総務省「電気通信サービスに係る内外価格差に関する調査」(2013年)で用いた通話モデル(月間の平均通話分数82分(2012年の平均利用実績))を基準として、2003年及び2013年時点の東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、デュッセルドルフの各都市における携帯電話料金を試算し、その推移をみたのが右図である 5、6、7 。我が国(東京)における携帯電話通話料金の低廉化が、国際的にみても著しいものであったことがわかる(図表1-2-2-3)。 4 企業向けサービス価格指数は、企業間で取引されるサービスを対象としたものであり、個人向けサービスは原則として対象外だが、主として個人向けであっても企業が同様に需要するサービス(郵便、電話等)は、調査対象としている。 5 総務省「電気通信サービスに係る内外価格差に関する調査」(2013年)で用いた通話モデル(月間の平均通話分数82分(2012年の平均利用実績))を基準として、2003年時点の各都市における支払い額を試算したもの。なお、採用する料金プランや着信端末の種類によって支払い額が変わることがある。 6 東京、ニューヨークでは、共に2年契約のプランを採用。ロンドン及びパリでは、2003年は1年契約のプラン、2013年は2年契約のプランを採用。デュッセルドルフでは、2003年は契約期間の定めがないプラン、2013年は2年契約のプランを採用。 7 各年の換算為替レートは以下のとおり:@2003年度調査(2004年2月27日時点):1ドル110.62円、1ポンド208.09円、1ユーロ138.39円、A2013年度調査(2013年12月2日時点) :1ドル103.44円、1ポンド172.16円、1ユーロ140.67円。