第5章 産業の未来とICT 第1章でみたように、1985年の通信自由化以降、通信産業そしてICT産業は大きく発展してきた。既に述べたとおり、事業者間の活発な競争と数々のイノベーションにより、我が国ICT産業の実質国内生産額は約98兆円に達し、全産業の10.6%を占めるまでに成長した。また、事業者による活発な設備投資が行われた結果、我が国のブロードバンド環境は、速度と料金を総合してみた場合、OECD加盟諸国中で最高水準となっている。その一方で、ICT機器のモジュール化やコモディティ化が進む中で、我が国ICT製造業の国際競争力が低下してきたのも事実である。 それでは今後、ICT産業はどのように発展していくのだろうか。そしてその中で、我が国ICT産業はどのような戦略を採るべきなのだろうか。本章では、ICT産業のグローバルな現状を俯瞰した上で、IoT化をはじめとするICTの更なる進化によって、ICT産業ひいては経済全体がどのように変化していくかを展望する。