(2)視聴覚障碍者向け放送の普及促進 総務省では、視聴覚障碍者が放送を通じて円滑に情報を入手することを可能にするため、字幕放送等の普及目標を定めた「視聴覚障害者向け放送普及行政の指針」を策定し、進捗状況を毎年度公表 3 するとともに、字幕番組等の制作費の助成を行い、放送事業者の自主的な取組を促している。また、同指針については、平成24年10月に見直し 4 を行い、「大規模災害等緊急時放送については、できる限りすべてに字幕付与」等の目標を追加し、手話放送についても新たに盛り込む等、視聴覚障碍者向け放送の一層の普及を図っている。 放送番組における字幕の付与は着実に増加しているが、総放送時間の2割弱を占めるCM番組には字幕がほとんど付与されておらず、広告主1社が提供する番組におけるトライアル(試行的な放送)にとどまっている状況等を踏まえ、平成26年1月から「スマートテレビ時代における字幕等の在り方に関する検討会 5 」を開催し、スマートテレビを通じた多言語字幕の実現に向けた具体的方策や、字幕付きCMの普及に向けた方策等について検討を行い、同年7月に検討結果を取りまとめた。 この取りまとめを受けて、字幕付きCMの普及を図ることを目的とする「字幕付きCM普及推進協議会」が、日本アドバタイザーズ協会、日本広告業協会、日本民間放送連盟により同年10月に設立され(総務省は、オブザーバーとして参加)、セミナーなど普及啓発の取組が進められている。また、平成27年4月から、複数の広告主が提供する番組のCMについても、字幕付与のトライアルが開始されている。 3 平成25年度の字幕放送等の実績: http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu09_02000106.html 4 視聴覚障害者向け放送普及行政の指針の見直し:http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu09_02000044.html 5 スマートテレビ時代における字幕等の在り方に関する検討会: http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/sumatele_jimaku/index.html