(3)安全なインターネットの利用に向けた課題 ア インターネット利用で感じる不安や情報通信ネットワーク利用上の問題点 ●個人では個人情報等の漏えい、企業では人材不足への懸念が課題 インターネットを利用していて不安を感じる個人の割合は、「不安を感じる」「どちらかといえば不安を感じる」を合わせて61.6%と、約6割が何らかの不安を感じている(図表6-2-1-10)。その具体的な不安の内容をみると、87.8%が「個人情報やインターネット利用履歴の漏えい」を挙げており、次いで、「コンピュータウイルスへの感染」が67.4%、「架空請求やインターネットを利用した詐欺」が51.6%等となっている(図表6-2-1-11)。 図表6-2-1-10 インターネット利用時に不安を感じる人の割合(複数回答) (出典)総務省「通信利用動向調査」 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html別ウィンドウで開きます 図表6-2-1-11 インターネット利用時に感じる不安の内容 (出典)総務省「通信利用動向調査」 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html別ウィンドウで開きます また、企業における情報通信ネットワーク(インターネットや企業内LAN等)の利用上の問題点についてみると、「ウイルス感染に不安」が48.8%と最も高くセキュリティに対する不安が高い(図表6-2-1-12)。 図表6-2-1-12 企業における情報通信ネットワークを利用する上での問題点(複数回答) (出典)総務省「通信利用動向調査」 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html別ウィンドウで開きます イ インターネット利用に伴う被害経験 ●世帯ではパソコン、携帯電話、スマートフォンいずれも迷惑メール・架空請求メール受信による被害経験が最も高く、企業では標的型メールの被害経験が大幅に上昇 インターネット利用に伴う過去1年間の被害経験について世帯に尋ねたところ、自宅のパソコン、携帯電話・PHS及びスマートフォンのいずれの機器においても「迷惑メール・架空請求メールを受信」が最も高く、特に携帯電話・PHS及びスマートフォンでは、被害経験の大半を占めている(図表6-2-1-13)。 図表6-2-1-13 世帯におけるインターネット利用に伴う被害経験(複数回答) (出典)総務省「通信利用動向調査」
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html別ウィンドウで開きます また、情報通信ネットワークを利用している企業に対しても同様に尋ねたところ、「何らかの被害を受けた」企業が50.1%と半数に及んでおり、その被害内容は、「ウイルス発見又は感染」が39.6%、次いで「標的型メールの送付」が25.9%となっている(図表6-2-1-14)。 図表6-2-1-14 企業における情報通信ネットワーク利用の際のセキュリティ侵害(複数回答) (出典)総務省「通信利用動向調査」 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html別ウィンドウで開きます ウ 情報セキュリティ対策 ●不正アクセス禁止法違反事件(検挙件数)が若干増加し、世帯では約7割、企業ではほぼ全てが、それぞれ何らかの情報セキュリティ対策を実施している 2016年中の不正アクセス行為の禁止等に関する法律(以下「不正アクセス禁止法」という。)違反事件の検挙件数は502件であり、前年と比べ129件増加した(図表6-2-1-15)。 図表6-2-1-15 不正アクセス禁止法違反事件検挙件数の推移 (出典)警察庁・総務省・経済産業省「不正アクセス行為の発生状況及びアクセス制御機能に関する技術の研究開発の状況」により作成 http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu03_02000105.html別ウィンドウで開きます インターネットを利用している世帯におけるセキュリティ対策の実施状況についてみると、何らかの対策を行っている世帯の割合は67.7%となっている。主な対策としては、「セキュリティ対策ソフトの導入もしくは更新」(47.7%)、「セキュリティ対策サービスの新規契約もしくは更新」(24.6%)が挙げられる(図表6-2-1-16)。 図表6-2-1-16 世帯における情報セキュリティ対策の実施状況(複数回答) (出典)総務省「通信利用動向調査」 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html別ウィンドウで開きます また、情報通信ネットワークを利用している企業における情報セキュリティ対策の実施状況についてみると、何らかの情報セキュリティ対策を実施している企業の割合は98.4%と、ほぼ全ての企業において対策を実施している。その対策内容としては、「パソコン等の端末(OS、ソフト等)にウイルス対策プログラムを導入」が88.2%と最も高くなっており、次いで、「サーバにウイルス対策プログラムを導入」が66.8%、「ID、パスワードによるアクセス制御」が55.3%となっている(図表6-2-1-17)。 図表6-2-1-17 企業における情報セキュリティ対策の実施状況(複数回答) (出典)総務省「通信利用動向調査」 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html別ウィンドウで開きます エ 個人情報保護対策 ●個人情報保護対策を実施している企業は全体の約9割となっている 何らかの個人情報保護対策を実施している企業の割合は86.0%となっている。主な対策としては、「社内教育の充実」が49.5%と最も高く、次いで「個人情報保護管理責任者の設置」が47.8%等となっている(図表6-2-1-18)。 図表6-2-1-18 企業における個人情報保護対策の実施状況(複数回答) (出典)総務省「通信利用動向調査」 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html別ウィンドウで開きます