(2)IoT/ビッグデータ時代に向けた新たな情報通信政策 「IoT/ビッグデータ時代」が到来し、多種多量に収集されるデータの利活用が新しい価値を創造する。その成否が、我が国にとって決定的に重要という問題意識のもと、総務省は、平成27年9月、「IoT/ビッグデータ時代に向けた新たな情報通信政策の在り方」について情報通信審議会に諮問を行った。同審議会の情報通信政策部会及びIoT政策委員会(主査:村井純 慶應義塾大学教授) 2 における調査・審議を経て、平成27年12月に第一次、平成28年7月に第二次、平成29年1月に第三次中間答申 3 が取りまとめられた。 第三次中間答申においては、IoT政策委員会の下に設置した基本戦略、人材育成、2つのワーキンググループの報告に基づき、データ主導社会を実現する具体的施策を、施策目標、検討・実施の主体、スケジュール等を明確化した上で階層(レイヤー)ごとに整理した「IoT総合戦略」等の取りまとめを行った(図表7-1-2-2)。なお、今後の課題として、特に@人材育成策の具体化、Aデータ取引市場等のあり方検討、Bブロックチェーンの非金融分野への活用を挙げており、新たな検討の場も設け、引き続き検討を行っている。 図表7-1-2-2 IoT総合戦略 具体的施策の全体像 IoT/ビッグデータ/AI等の発展による世界的な産業構造の変革にあたって、産学官が参画・連携し、IoT推進に関する技術の開発・実証や新たなビジネスモデルの創出推進するための体制を構築することを目的として平成27年10月に「IoT推進コンソーシアム」が設立された(図表7-1-2-3)。 図表7-1-2-3 IoT推進コンソーシアム 本コンソーシアムでは、産学官が参画・連携し、具体的には@IoTに関する技術開発・実証及び標準化等の推進、AIoTに関する各種プロジェクトの創出及び当該プロジェクトの実施に必要となる規制改革に関する提言のとりまとめ等に取り組むこととしている。平成28年度には米国やインド、欧州のIoT推進団体とそれぞれIoTの推進に関する覚書を締結するなど国際展開の取組も進めている。 2 IoT政策委員会:http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/iot/index.html 3 第三次中間答申:http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin01_02000216.html