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第1部 特集 人口減少時代のICTによる持続的成長
第3節 多様な人々の社会参加を促すICTによるコミュニケーション

1 ソーシャルメディアによるコミュニケーションの多様化

まずは、ICTによるコミュニケーションの手段として、ソーシャルメディアに着目する。ソーシャルメディアは、インターネットや携帯電話、さらに近年のスマートフォンの普及により、いつでもどこでも活用されるようになった。そのため、ソーシャルメディアによるオンラインコミュニティも社会を構成するものとして捉えられるようになってきた。ただし、そこでの結びつきは、ソーシャルメディアによってコミュニケーションの形態が異なるため、様々である。

ソーシャルメディアは大きく「広場型」と「フィード型」とに分けることができる。広場型は、運営者がコミュニケーションの場を設定して、そこに参加者が特定のテーマに関係する情報を投稿するというものであり、あたかも情報の周りに人が集まるようにしてつながりが生じるものである。フィード型は、参加者が投稿する様々な情報が一覧となって表示されるソーシャルメディアであり、参加者同士のつながりを通じた情報のやり取りによってつながりが生じるものである。

図表4-3-1-1は、例示したソーシャルメディアが広場型とフィード型のうちどちらのつながりを形成しやすいかという観点から縦軸を、現実社会での身近なつながりに関わるものか、あるいは、現実社会では普段会うことのない遠くのつながりに関わるものかという観点から横軸を取り、分類したものである。広場型のソーシャルメディアには、掲示板やレビューサイト、mixiなどが該当する。フィード型のソーシャルメディアには、FacebookやTwitter、Instagram、LINEなどが該当する。

図表4-3-1-1 ソーシャルメディアの分類
(出典)総務省「ICTによるインクルージョンの実現に関する調査研究」(2018)

フィード型のソーシャルメディアは、最近10年で我が国において急速に広まってきた。これらの普及は現実社会での人間関係が、ソーシャルメディアにより補完されるようになってきていることを示している。

また、ソーシャルメディアは、利用者個人の情報発信が多いメディアと、発信よりも閲覧する場合が多いメディアとでも分類することができる。図表4-3-1-2は、調査結果に基づき、身近につながる人の情報を閲覧することが多いか、あるいは現実社会で普段知り合うことのないつながりの遠い人の情報を閲覧すること多いかという、ソーシャルメディア間での相対比較結果を横軸に、縦軸に情報発信が多いか閲覧が多いかを取り、それらをソーシャルメディア間で相対比較1したものである。結果は、おおむねフィード型と広場型の分類に似た傾向が見られる。ただし、フィード型のソーシャルメディアでも、FacebookやInstagramは情報発信を中心に利用している人よりも、閲覧中心に利用している人が多く、これらのメディアがブログのように、他の人の活動情報を知るという役割がより強いことが伺える。

図表4-3-1-2 ソーシャルメディアにおける情報発信と閲覧の状況
(出典)総務省「ICTによるインクルージョンの実現に関する調査研究」(2018)
「図表4-3-1-2 ソーシャルメディアにおける情報発信と閲覧の状況」のExcelはこちらEXCEL / CSVはこちら


1 横軸の値は、ソーシャルメディアを利用して誰の書き込みを閲覧しているかという設問について、
を、正負を入れ替えた上で標準化した値(元の設問については、図表4-3-3-1を参照)
縦軸の値は、ソーシャルメディアによる情報発信や発言に関する設問で、
を標準化した値(元の設問については、図表4-2-2-1を参照)

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