2 IoTデバイス1の急速な普及 インターネット技術や各種センサー・テクノロジーの進化等を背景に、パソコンやスマートフォンなど従来のインターネット接続端末に加え、家電や自動車、ビルや工場など、世界中の様々なモノがインターネットへつながるIoT時代が到来している。 世界のIoTデバイス数の動向をみると、2017年時点で稼働数が多いのはスマートフォンや通信機器などの「通信」が挙げられる。ただ、それらは市場が成熟しているため、今後は、相対的に低成長が見込まれる。 今後は、コネクテッドカーの普及によりIoT化の進展が見込まれる「自動車・輸送機器」、デジタルヘルスケアの市場が拡大している「医療」、スマート工場やスマートシティが拡大する「産業用途(工場、インフラ、物流)」などの高成長が予測される(図表1-1-2-1、図表1-1-2-2)。 図表1-1-2-1 世界のIoTデバイス2数の推移及び予測(出典)IHS Technology 図表1-1-2-2 分野・産業別のIoTデバイス数及び成長率予測(出典)IHS Technology 1 IHS Technologyの定義では、IoT デバイスとは、固有のIPアドレスを持ちインターネットに接続が可能な機器及びセンサーネットワークの末端として使われる端末等を指す。 2 各カテゴリの範囲は以下のとおりである。 「通信」:固定通信インフラ・ネットワーク機器、2G、3G、4G各種バンドのセルラー通信及びWifi・WIMAX などの無線通信インフラ及び端末。 「コンシューマー」:家電(白物・デジタル)、プリンターなどのPC 周辺機器、ポータブルオーディオ、スマートトイ、スポーツ・フィットネス、その他。 「コンピューター」:ノートパソコン、デスクトップパソコン、サーバー、ワークステーション、メインフレーム・スパコンなどコンピューティング機器。 「産業用途」:オートメーション(IA/BA)、照明、エネルギー関連、セキュリティ、検査・計測機器などオートメーション以外の工業・産業用途の機器。 「医療」:画像診断装置ほか医療向け機器、コンシューマーヘルスケア機器。 「自動車・輸送機器」:自動車(乗用車、商用車)の制御系及び情報系において、インターネットと接続が可能な機器。 「軍事・宇宙・航空」:軍事・宇宙・航空向け機器(例:航空機コックピット向け電装・計装機器、旅客システム用機器、軍用監視システムなど)。 なお、2018年から集計対象について、「通信」にLPWA接続機器など、「自動車・輸送機器」に商用車向け機器などを追加しており、それらの台数も遡って集計している。