(3)ICTの可能性 ICTが蒸気機関や電力といったこれまでのGPTに続く現代のGPTであるという点については、概ね支持されている。PCやインターネットは広く社会に浸透し、経済活動に不可欠なインフラとなっている。図表2-1-1-1で示した数々のGPTはいずれも社会・経済に大きな変革をもたらしている。 特に、20世紀最後に登場したGPTの一つであるインターネットは、世界規模で社会に与えたインパクトが極めて大きいものだったと言えるだろう。膨大な量の情報を即時に、かつ、国境を越えてやりとりすることができるようになったことは、従来の郵便や国際電話と比べて外国との距離感を大きく縮めることになった。より身近な場面でも、情報のやりとりや収集、発信に要する時間とコストが大幅に低減された。現在では、インターネットはビジネス、プライベートを問わず、あらゆる場面で活用されており、まさに「社会全体に適用可能で、様々な用途に応用し得る基幹的な技術」たるGPTと言える。 GPTのイメージについて、比較的近年のものとして電気の例がわかりやすいだろう。現代では社会生活や産業のほぼあらゆる場面で電力が不可欠なものとなっている。電力がなければ存在し得なかったであろう産業も数多くある。ICTも同様に、基礎的で広範な影響を持つものとして普及し、新たな産業の発展に結びつく可能性を持っている。