(2)次世代光ネットワーク技術の研究開発の推進 2020年代の5G通信サービスの広まりとともに超高精細映像やビッグデータ等の流通によって急速に増大する通信トラヒックに対応するため、情報通信インフラである光ネットワークの更なる高速大容量化が必要となっている。これに対処するため、NICTでは、伝送・交換の処理を光信号のままで行う高速大容量・低消費電力なネットワーク(オール光ネットワーク)を実現可能とする基盤技術の研究開発を推進している。平成29年度の成果として、産学官が連携し、マルチコアファイバで複数の光伝搬モードを用い、毎秒10ペタビットを超える光伝送に世界で初めて成功した。また、7コア並列の光信号を一括した80ナノ秒の高速スイッチングを行い、世界記録となる毎秒83.3テラビットの光交換技術を実証した。また、総務省では、NICTにおける研究開発で得られた基盤技術の中でも早期に実用化可能と見込まれる技術について、製品開発・市場展開に向けた研究開発を推進している。平成29年度は、より高度な光伝送方式と低電力な信号処理技術により毎秒1テラビット級の光伝送を実現する「巨大データ流通を支える次世代光ネットワーク技術の研究開発」において、光伝送方式に用いるアルゴリズムについて他の機能ブロックとの連携を考慮した動作検証、および、これらの実装に向けた回路設計・検証、消費電力評価を完了し、毎秒1テラビット級光伝送の基本技術を確立した。(図表6-7-2-1)。 図表6-7-2-1 次世代光ネットワーク技術のイメージ