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第1部 特集 進化するデジタル経済とその先にあるSociety 5.0
1 デジタル経済――新しい経済そして社会の姿

はじめに

1 デジタル経済――新しい経済そして社会の姿

(1)ICTにより、新しい経済・社会の仕組みが生まれている

近時、「若者のクルマ離れ」といった言葉を聞くように、人々は、モノの所有にこだわるのではなく、必要な都度借りて利用することで良いという思考・行動パターンになってきたといわれている。そして、このようなモノ・サービスの共有を仲介するサービスや、これらによって成り立つ経済の仕組みは、「シェアリングエコノミー」と呼ばれている。また、人々が働くということについても、企業等の組織に所属するのではなく、フリーランスの立場で、インターネットを利用してその都度単発又は短期の仕事を受注するという働き方が注目されている。そして、このような働き方や、これらによって成り立つ経済の仕組みは、「ギグエコノミー」と呼ばれている。

変化しているのは経済活動だけではない。自ら撮った動画や自作の音楽・絵・小説、メッセージなどを各種の共有サイトやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上に投稿することで、現実世界の人間関係や日常生活の地理的範囲を超えて、多くの人々の共感を得るといったことが可能になった。かつて予想された「未来には、誰でも15分間は世界的な有名人になることができる」1という時代が、まさに到来しているといえる。

このように、何か新しい経済・社会の仕組み、更には新しい生き方が現れており、それはインターネットをはじめとする情報通信技術(ICT)の発展・普及と大きく関係していると感じている人は少なくないだろう。そして、ICTの発展・普及がもたらした新しい経済そして社会の姿は、「デジタル経済」と呼ばれるようになってきている。

令和元年版情報通信白書においては、この「デジタル経済」の進化の過程と将来への展望を特集テーマとして取り上げている。



1 米国の芸術家アンディ・ウォーホルが1960年代に述べた言葉とされている。

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