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第1部 特集 進化するデジタル経済とその先にあるSociety 5.0
2 デジタル経済が進化した平成時代

(2)変化した我が国の産業とグローバル経済

我が国の通信産業は、1985年の自由化後、様々な事業者による活発な競争を通じ、人々の利便性を高めるサービスを生み出しながら大きく発展することとなった。他方、ICT機器を製造する産業にとっての平成時代は、かつての「電子立国」の栄光に影が差していく過程であったといえる。また、特に米国発のデジタル・プラットフォーマーと呼ばれる新たなICT企業がグローバルな存在感を示していく中で、我が国からはそのような企業は未だ出てきていない。

経済全体をみても、我が国経済はバブル崩壊後、デフレに悩まされつつ、かつての成長の勢いを取り戻すには至らなかった。本来、ICTの利用は様々な産業の生産性を向上させ、経済成長に大きく貢献するものであるが、企業におけるインターネットの利用は進んできたものの、少なくともGDP統計においてはその効果が十分に表れていない。

他方、新興国・途上国においては、モバイルを中心とするICTインフラの整備と利用が進み、リープフロッグと呼ばれるような一足飛びの発展を実現するようになった。また、世界的なICTの発展・普及は、様々な産業においてグローバル・バリューチェーンと呼ばれるグローバルな分業を促進し、これらの国の経済を成長させている。

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