1 インターネットの普及によるメディア環境の変化 (1)利用時間から見るメディア利用の変化 15年間でテレビ視聴は減少、インターネット利用は増加 2000年から2015年の我が国におけるテレビ視聴時間(平日1日あたり)の推移をみると、全体では緩やかな減少傾向にある。年代別では、60代では横ばい傾向にあるが、50代以下は減少傾向にあり、特に10代及び20代の減少が著しい(図表1-4-1-1)。 図表1-4-1-1 テレビ視聴時間推移(2000年〜2015年、平日1日あたり、全体・年代別) 他方、インターネットの利用時間の推移をみると、利用時間は増加傾向にある。特に10代と20代は、2015年には1日あたり100分以上利用するようになり、テレビ視聴時間と逆転している(図表1-4-1-2)。 図表1-4-1-2 インターネット利用時間推移(2000年〜2015年、平日1日あたり、全体・年代別) (出典)橋元良明編(2005、2010、2015)『日本人の情報行動』を基に作成 テレビとインターネットの並行利用 ただし、単にテレビのようなマスメディアからインターネットへの代替が起きているわけではなく、例えばテレビを視聴しながらインターネットを利用するという並行利用の動きもある。総務省(2015)を基に、調査対象日1日に各情報行動を行う者の割合(行為者率)をみると、テレビ視聴は85%、ネット利用が74%に対して、両方の並行利用は35%となっている。その他、(2)で後述するとおり、対面メディア、マスメディア、ソーシャルメディアが重層的複合的に併存することも指摘されている。 図表1-4-1-3 テレビ(リアルタイム)視聴とインターネット利用の並行利用行為者率(全年代・年代別・平日) (出典)総務省(2015)「平成26年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」を基に作成 図表1-4-1-4 テレビ(リアルタイム)視聴とインターネット利用の並行利用時間(全年代・年代別・平日) (出典)総務省(2015)「平成26年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」を基に作成