昭和48年版 通信白書

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第2部 暮らしと通信

 空気の存在を意識して生活する者はいない。文字や言葉を使ってコミュニケーションできることを意識して生活する者もいない。コミュニケーションを担う通信も空気のような存在として,その手段が意識されないほど日常化されることを目標としてきた。情報化社会を迎えて情報環境の整備がますます緊急のこととなっている。ここ数年,通信界には情報環境の整備に向かって新たな胎動がある。テレビジョン放送の全国普及や「申し込めばすぐつく電話」の実現といった既定方針の完遂もあるが,データ通信,画像通信,CCIS,宇宙通信などがそれである。
 しかし,空気が汚染された場合の深刻さがはかりしれないように,情報環境が損なわれた場合の弊害も深刻である。銀行のオンラインの一部停止・テレビ画像の中断など多方面に障害を与えた通信回線の中断事故,新幹線の混乱を招いた電子計算機のパンク,脱線事故をもたらした電子計算機の2秒間の狂い,1億円のミスパンチなどが話題となった。
 この第2部では,日常生活にとけこんでいる通信をとりだし,その役割を明らかにすることとする。第1章では,通信・情報と市民生活・企業活動とのかかわりあいの深さを検討し,第2章では,情報環境の整備の動向及び情報化による国民福祉の実現の動きを展望する。

 

 

2 情報化と情報メディア に戻る 第2部第1章第1節 生活に浸透する情報メディア に進む