昭和48年版 通信白書

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第4節 郵便事業の近代化合理化

1 郵便物の種類体系と制度の合理化

(1) 種類体系の合理化
 現行の通常郵便物の種類体系は,昭和41年7月に従来のものが改正されてできたものである。
 この改正の主な点をあげると次のとおりである。
[1] 第一種郵便物
 従来の制度には第五種という種類があった。これは印刷した書状や業務用書類,商品見本などを内容としたものであって,その内容を検査できるように開封として差し出されることを要件とし,料金は主として手紙などを内容とする第一種郵便物よりも安くしてあったが,内容を検査しなければならないので,その取扱いが煩雑であった。そこで,郵便物の種類の基準を内容に求めることをやめて第一種郵便物と第五種郵便物とを統合し,実際の取扱いの難易,将来の機械処理等を考慮して,取扱い上便利な一定形状のもの(定形郵便物)とそれ以外のもの(定形外郵便物)とに分類することとした。なお,現在第一種郵便物のうち88%は定形郵便物である。
[2] 第二種郵便物
 年賀はがきの低料扱いが廃止された。また,はがきの規格を大きくし,紙質もよくした。
[3] 第四種郵便物
 従来は,樹皮,きのこ,家きんの卵,はち及び食用がえるを内容とするものが含まれていたが,これらのものはほとんど郵送されていないので,その取扱いを廃止し,他方,新たに学術振興に資するため学術刊行物を内容とするものを第四種郵便物として取り扱うこととした。
[4] 書籍小包郵便物
 小包郵便物についても,このときに書籍の郵送料が割高になったことを考慮して書籍小包の取扱いを新設し,全国均一料金で利用できることとした。
(2) 制度の合理化
 郵便の制度の基本は,郵便法に定められている。郵便法は最近では41年7月と46年7月に大きな改正が行われたが,この改正を中心に最近改められた郵便の制度の主な点は次のとおりである。
ア.郵便物処理の合理化
[1] 郵便物の取扱いの能率化を図るため,利用者にできるだけ不便をかけない範囲で郵便物の重量と大きさについての基準を改め,軽量化,小型化を図った(41年法改正)。
[2] 大量に差し出される第一種郵便物又は第二種郵便物については,差出人があて地別にあらかじめ区分をしておくなど,一定の要件を満たして差し出した場合には料金の割引を行う制度を設け,業務運行の円滑化に資するみちを開いた(41年法改正)。
[3] 郵便物の引受けと配達についてのみ記録し送達の途中の記録は省略する簡易書留制度を創設し,取扱いの簡素化を図った(41年法改正)。
[4] 郵便私書箱の利用を促進し配達作業を軽減するため,一定の要件を満たす利用者には使用料を免除することとした(41年法改正)。
イ.サービスの改善
[1] 書き損じたりした官製はがきや郵便書簡などを一定の手数料により交換することとした(41年法改正)。
[2] 天災など非常災害があった場合においては,救助用物資を内容とする小包郵便物の料金を免除するみちを開いた(41年法改正)。
[3] 大都市に所在する同一企業内の事業所相互間又は関連企業間において,業務用書類などを早急に届けたいといった需要にこたえ,書留速達郵便物を差出しの当日中又は翌日の始業前までに交付する特別な取扱い(ビジネス郵便)を43年に開始した。
[4] 速達小包については航空便によって運送を行う航空小包の取扱いを44年に開始した。
[5] 需要に応じて新しいサービスを適時適切に提供できるみちを開いた(46年法改正)。

 

 

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