昭和48年版 通信白書

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8 港湾通信業務用

 国際海上VHF無線電話(156〜174MHz)による港湾通信業務は,港湾内又はその付近における船舶の交通整理,びょう地,船席の指定,検疫のほか水先業務,ひき船事業などを含む船舶の移動を安全かつ能率的に遂行するために行われる。この制度は,1957年に欧州12か国で締結されたヘーグ協定によって開始され,1959年の世界無線通信主管庁会議において国際電気通信条約附属無線通信規則に採用されて以来,世界の主要港湾において国際海上移動業務の無線通信として行われている。
 我が国においては,昭和39年にオリンピック東京大会の開催を契機として京浜港でこの業務が開始されて以来逐次6大港湾に及び,海上保安庁の海岸局のほか,東京,横浜,川崎,千葉,鹿島,静岡,名古屋,四日市,大阪,神戸,坂出,下関及び北九州の各港湾管理者が海岸局(ポートラジオ)を開設してこの業務を行っている。
 我が国経済の発展に伴い主要港湾における内外船舶の往来はとみに増加しているが,国際海上VHFを利用する船舶数を東京湾に例をとると,47年度においては第3-3-16図に示すとおりであり,前年度より20%増加している。
 また,横浜ポートラジオにおける47年度の通信状況をみると,第3-3-17表のとおりであり,通信延べ時間及び通信相手局数においても飛躍的な伸びを示している。
 上記のほか,港湾内における船舶の移動と密接不可分の関係にある水先業務及びひき船事業においても,今後国際海上VHFを使用して港湾通信業務を行うことが見込まれており,同一港湾において共通の国際海上VHFチャンネルを使用することとなるので,これらの者が港湾管理者と設備を共用して一体的な運用を行うことが必要になる。
 我が国の船舶局のうち国際海上VHF無線電話設備を設置するものは,外航航路に就航する船舶の船舶局,内航義務電話局等を含めて47年度末現在3,250局であるが,主要港湾に出入する船舶はできる限り多くがこの設備を設置して港湾通信業務を行うことにより,航行の安全及び能率的な運行を図ることが望まれている。

第3-3-16図 国際海上VHF利用船舶数(国籍別,東京湾各港別)

第3-3-17表 横浜ポートラジオの通信取扱状況

 

 

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