3 国内データ通信システム：昭和51年版通信白書

（1）　年度別設置状況
　自営システム及び公社システムの39年度以降における各年度末現在のシステム数は，第2-4-9表のとおりである。
　50年度においては対前年度比は127％と，39年度以降の最低値を示し，また，対前年度増加数においても落ち込みを見せるなど，低迷傾向を示した。
　自営システムは，47年度末以前においては，すべて特定通信回線（46年9月1日前は専用回線）を利用するシステムであり，公衆通信回線を利用するシステムは48年度に出現した。50年度末現在1，429システムで，その内訳は，特定通信回線を利用しているものが1，157システム（このうち，公衆通信回線を併用しているものは49システム），公衆通信回線を利用しているものが272システム（特定通信回線を併用しているものを含めれば321システム）である。
　公社システムは，43年度にサービスを開始し，50年度末現在のシステム数は50システムとなっている。
　私設システムは，制度的には有線電気通信法に基づき設置されているものであって，電力事業の自動給電システム，運輸業の座席予約システム，地方公共団体の公害監視システム等がある。
（2）　対象業務別設置状況
　自営システムの対象業務別システム数は，第2-4-10表のとおりである。
　過去3年間を通じ，製造業者，商事会社等の事務管理を対象とするものは，逐年増加し，50年度においては約50％を占めている。一方，金融業務を対象とするもの，官公庁関係の業務を対象とするもの及び株式取引，運送管理，その他を対象とするものは，絶対数においては増加しているものの，割合としては低下して15～20％程度となっている。
　システム数の多い順から7位までの対象業務は，第2-4-11表のとおりであって，生産・在庫・販売管理システム，金融システム，公害監視システム及び交通制御システムが常に上位にあることには変化がないものの，保険システムが5位に進出したことが注目される。
　なお，公衆通信回線を利用しているシステムの対象業務別利用状況は，生産・在庫・販売管理システムが151システム，金融システムが24システム，保険システムが4システムなどとなっている。
（3）　業種別設置状況
　自営システムの業種別システム数は第2-4-12表のとおりである。システム数の多い業種は，製造業・建設業，金融業，商業及び地方公共団体であって，これらのシステム数の合計は全システム数の約80％を占めている。全システム数に占める割合の推移をみるとデータ通信の導入が比較的早期に普及した金融業及び証券業は逐年低下し，商業，通信・出版・サービス業のシステム数は，着実に増加している。
　なお，公衆通信回線を利用しているシステムの業種別設置状況は，製造業・建設業が143システム，商業が54システム，金融業が21システム，情報通信事業・ソフトウェア業が13システムなどとなっている。
（4）　国産機・外国機別設置状況
　自営システムを主電子計算機により区別した国産機システム及び外国機システムの47年度以降におけるそれぞれのシステム数は，第2-4-13図のとおりである。
　当初は外国機システムが優位を占めていたが，国産機システムの割合は逐年上昇して48年度末に至って両システムの割合が逆転し，50年度末には国産機システム57.5％（822システム），外国機システム42.5％（607システム）となり，国産機システムが優位を占めている。
　その背景としては，ソフトウェア技術を含めて国産電子計算機の性能が向上したこと，データ通信の普及に伴い低速，小容量の国産機の使用で構成される小規模のシステムも増加したことなどがあげられる。

第2-4-9表国内データ通信システムの年度別設置状況

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