昭和52年版 通信白書

本文へジャンプ メニューへジャンプ
トップページへ戻る
操作方法


目次の階層をすべて開く 目次の階層をすべて閉じる

4 その他の画像通信技術

 テレビ電話は,電電公社により,45年の万国博に出展された1MHz方式の装置に引き続き開発が進められている。
 47年12月からは,特定者間のある限られた範囲で用いられる4MHzのグループタイプの白黒テレビ電話サービスが試行的に開始された。また,49年には,全国的規模を想定した1MHz方式及び4MHz方式の白黒テレビ電話の試験が東京,大阪で実施された。これらの試験結果をもとに,各種機能の充実,経済化の検討が進められている。
 テレビ会議は,遠く相隔った地点相互間での会議を可能とするものであり,乗り物に乗って会議に出席するための旅行時間と経費等の節約が図られ,また,省エネルギーに貢献するため,諸外国においても種々の開発が進められている。我が国においても,電電公社により45年度から研究が開始され,51年5月からモニタテストとしてカラーテレビジョンによるテレビ会議方式が東京及び大阪間において運用されている。
 CCTV(Closed Circuit Television)の分野では電電公社により44年度から映像伝送サービスが開始されている。このサービスは,当初,4MHzの白黒テレビジョン信号を約10kmの範囲で伝送するものであったが,47年度には,範囲が20kmに延長されカラー伝送も行われるようになり,交通管制等の遠方監視,ホテルを結んだ外国語有線放送,書類照会に利用されている。更に,51年度には,大阪京都間約60kmをC-60M方式で結ぶ中距離サービスが開始された。また,ベースバンド伝送区間の伝送距離の拡大を図るため,テレビジョン信号等の広帯域伝送に適する広帯域対形ケーブルを媒体とするベースバンド伝送方式の実用化も行われた。
 将来,予想される国際テレビジョン伝送路のディジタル化に際しては,経済的伝送のために,高能率符号化方式は必須技術である。このため国際電電では,従来直交変換符号化方式の研究を行ってきたが,50年よりそれに加えて,輝度,色度の複合信号であるNTSC信号を各信号成分に分離することなくそのまま予測符号化する直接予測符号化方式の開発を進めている。この方式は,簡単な装置で,よりよい画品質を実現できることが特徴である。動画像を含む実際のNTSC画像を用いたこれまでのシミュレーション実験の結果から,フィールド内の予測方式により,32〜44Mb/s程度の伝送レートで放送テレビジョンの品質を満足することが可能なこと,また,カメラが固定されるテレビジョン会議サービスなどの場合,フィールド間の予測方式による16Mb/s程度の伝送レートで,十分な画品質を達成できる見通しが得られている。
 

3 同軸ケーブル情報システム(CCIS) に戻る 第2部第7章第7節1 通信方式 に進む