昭和53年版 通信白書

本文へジャンプ メニューへジャンプ
トップページへ戻る
操作方法


目次の階層をすべて開く 目次の階層をすべて閉じる

第1部 総   論

第1章 通信及び情報化の現況

 昭和52年度の我が国の経済は,50年度からの景気回復過程の3年目に当たると言える。年度当初は輸出,政府投資といった要因による経済の拡大が図られたが,7月ごろから年末にかけての円高ショックを含む時期には,補正予算による公共事業の追加が図られたりしたにもかかわらず,輸出数量が鈍化し,消費や設備投資等の民需における盛り上がりが欠ける状況となった。53年に入ってからは在庫調整の進展,公共投資の効果の浸透等により明るい面が広がり,この結果,52年度の経済成長率は名目で11.0%,実質で5.5%となった。
 社会経済活動の基盤をなす通信の分野は,このような経済動向と密接な関連を有しており,52年度においては政府の景気政策に沿って日本電信電話公社(以下「電電公社」という。)予算においても,2次に及び補正予算を編成し,建設勘定予算は1兆6,800億円と過去最高となった。他方一般加入電話の新規架設数が前年度に引き続き予定数を大きく下回ったり,料金改定に対する国民の防衛的反応がみられたりもした。
 通信サービスの総生産額(収入額)は郵便料金,放送受信料及び電信電話料金の改定の効果が全体的に表れ,5兆881億円と前年度に比べ24.8%の伸びを示し,財政基盤の安定化が図られることとなった。
 本章では52年度の通信について,まず年間の状況を概括的には握し,次いで通信事業の経営,情報産業及び通信関連産業の動向,家計と通信等について,52年度の社会経済動向との関連を明らかにし,更に我が国の情報化の動向及び近年とみに注目を集めている画像通信の動向について取り上げることとする。

 

 

巻頭言 昭和53年版通信白書の発表に当たって に戻る 第1部第1章第1節1 通信の動向 に進む