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3 我が国の情報化の将来第1-1-19図は主なメディアについて縦軸に情報流通距離量,横軸に各メディアの情報流通コストをそのメディアの情報流通距離量で除した単位流通コストをとり,35年度から50年度までの15年間の推移を表したものである。この図において最も特徴的なのは,マス・メディアとパーソナル・メディアの対照的な動向であろう。まずテレビジョン放送に代表される放送系マス・メディアは35〜40年度の大きな伸びが注目されるが,その後は特に大きな伸びはみせていない。また新聞,書籍等の出版系マス・メディアにおいては,35年度以来コストが上昇するばかりで,情報流通距離量の伸びは余りみられない。ところが電話,データ通信等の電気通信系・パーソナル・メディアは自営データ通信の急速な成長及びコストダウン,ファクシミリの45〜50年度における大きな伸びなどにみられるとおり,全体としても最近になってから特に大きく発展をみせている。 このように一方向通信であるマス・メディアを媒介にした情報に対する需要が頭打ちとなり,双方向通信をその特徴とする電気通信系のパーソナル・メディアによる情報に対する需要が急速に増加するのは,近年の我が国の情報化の基本的なパターンであり,これはビジネスの社会において,また個人の家庭生活の場においても同様であると言えよう。 これは我が国の社会が今や大量にコピーされた画一的な情報ではなく,個々の要求に応じた,より詳細な情報へのニーズが優先される,一層高度な情報化社会へと移行しつつある証明であるとも言えよう。 このようなすう勢の中でデータ通信やファクシミリが着実にその役割の重要性を増していくとともに,全く新しいメディア例えば郵政省が電電公社と共同で開発中のキャプテンシステムや,電電公社が実験を続けているVRS(画像応答システム)等のような,一連の個別情報提供システムの開発実験が行われていることも見逃すわけにはいかない。
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