昭和53年版 通信白書

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第4節 電磁波有効利用技術

1 船内通信方式

 UHF帯船上通信設備については,1974年世界無線通信主管庁会議(WARC)の結果,国際電気通信条約附属無線通信規則に,その制度が新たに採用されたことに伴い,我が国でも52年6月から当該設備の使用ができることとした。更に,当該設備にはトーンスケルチ型選択呼出装置の付加ができることとなった。このトーンスケルチ方式の採用に当たっては,51年度に各種船舶において実施した船内通信の試験結果から,その有効性が認められたものである。
 すなわち,総トン数4,000トン以上3万トン以下の6隻を対象とし,それぞれブリッジと船内各所との間でUHF帯ポータブル及びレピータセットを使用して通信試験を行った結果は,船室が細かく区切られた場所において,ポータブル相互間の通達に悪いものがあったが,レピータで中継するものは,各所とも良好であった。ただし,停泊中や他船の混雑する港内では混信に対する使用電力及び運用上の注意が必要であることから,トーンスケルチ型選択呼出装置の付置が有効であると判断した。
 この試験結果については,本年1月開催されたCCIR Bブロック SG 8に我が国からレポートとして提出した。
 このトーンスケルチ型選択呼出装置に使用するトーン信号としては,67〜250.3Hzまでの33波から選択することとしており,本方式の採用により自動的にスケルチ操作を可能とし,自局に関係のない通信は,聞こえなくすることができることから,通信の疲労度を軽減できるとともに,個別又は群別の選択呼出が可能となるものである。

 

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