昭和53年版 通信白書

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12 サイトダイバシチ

 通信需要の増大と6/4GHz帯における混雑に対処するため,10GHz以上の周波数が衛星通信で用いられるようになってきた。インテルサット系においても次の世代のV号系衛星ではスポットビーム用として14/11GHz帯の使用が予定されている。
 10GHz帯以上の周波数では降雨の影響を受けやすく,特に,アンテナの仰角が低くなる場合はその傾向が顕著である。降雨減衰の影響を軽減する有効な方法の一つとして,サイトダイバシチがあり,国際電電では,このシステムを設計するうえで必要となる次の2項目について研究を進めている。

(1) TDMA用ダイバシチ切替方式

 サイトダイバシチ切替方式をTDMA(Time Division Multiple Access)衛星回線に適用した場合,ダイバシチ切替を行っても信号の重複や欠損を招かない同期方式と,最大限のダイバシチ効果を生み出す切替制御方式の開発が重要な問題となるので,これらについて研究を進め,国際衛星通信に最適と考えられる切替装置の試作を行った。

(2) サイトダイバシチ効果

 低仰角での降雨減衰に対するサイトダイバシチ効果を明らかにするため,瀬戸内沿岸の20kmずつ離れた直線上の3か所で,12GHz帯ラジオメータを用いた伝搬実験を行っている。また,山口,茨城,沖縄等でも降雨計を用いた観測により,ダイバシチ効果の基礎調査を進めている。

 

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