昭和53年版 通信白書

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2 行政用ファクシミリ通信システム

 郵政省では行政情報通信網(AICON)及び一般加入電話網において,行政機関で用いるのに適した行政用ファクシミリ通信システムの研究開発を行っている。
 行政機関は全国的な規模で,多量の文書の流通があり,この中には緊急に連絡を要するもの,同一文書を各地方局に一斉に発送するものなどがある。そこでこれらの文書を経済的,効率的に電送する行政用のファクシミリ通信システムでは,本省庁と地方局のように遠距離で通信量の多いところは,短時間で電送ができ,自動的に宛先に電送ができ,時間の指定ができる高速ディジタルファクシミリを用いることが肝要である。そこでこれらの機能を備えた行政用標準ファクシミリを開発,製造し,実用化試験を行ったところ良好な結果を得た。
 しかし,地方局と県単位機関のように,近距離で通信量も少ないところは市販の廉価な中速又は低速のアナログファクシミリを用いるのが経済的である。その代り,本省庁と県単位機関の間で通信を行う場合にはディジタルファクシミリとアナログファクシミリ間の信号を変換しなければ通信ができないのでこの機能を持つ異種ファクシミリ間接続装置を開発した。その試験結果では実用化の見通しを得た。
 また,同一文書を各方面に自動的に電送する同報装置も既に開発済みであるが,この同報装置と異種ファクシミリ間接続装置は同じハードウェアシステム構成になるので,これらの装置の機能を一体化した複合装置の開発も併せ行っている。

 

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