昭和56年版 通信白書

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16 簡易無線業務用

 簡易無線業務は,「国民共有の財産である電波を広く一般市民に開放する。」方針のもとに,事業用に限らず,日常生活に必要な簡易な通信連絡用の無線電話として制度化された。
 当初は,150MHz帯及び400MHz帯の周波数で空中線電力30Wまで許可していたため,設備費が高価で,しかも相当遠距離通信が可能なことから,新聞,造船,電力等の大事業,あるいは国や地方公共団体に多く開設され,一般市民が広く利用するものとはならなかった。
 そこで,一般市民が家業や個人的な趣味,娯楽に利用できる小型軽量で廉価なものが望まれ,36年6月,26MHz帯及び27MHz帯を使用する簡易無線局(市民ラジオ)の制度が設けられた。
 簡易無線局の特徴としては,一般業務用無線局に比較して容易に免許が受けられること,簡易無線局用の型式検定合格機器を使用すれば,予備免許が省略され,書類審査のみで免許になること,無線従事者以外の者でも無線局の運用ができることなどがあげられる。このような大きな利点がある反面,簡易無線局の周波数は多数の免許人で共用となるため,相互の混信は避けられないが,できる限り多数の者が利用出来るように,空中線の高さや電力に一定の制限を付している(一般簡易無線局は,地上高30m以下で電力5W以下。市民ラジオは,2m以下のきょう体付ホイップアンテナで電力0.5W以下。)。
 55年度末の局数は,一般簡易無線局は40万4,172局で,昨年度末より約6万5,000局増加し,主に,製造販売事業者(49.4%),土木建設事業者(19.8%)等において,事務所と営業用車両間との業務連絡用に利用されている。
 一方,市民ラジオは,29万5,269局で,主に趣味・レジャー(27%),登山・ハイキング(23%)等,個人的な連絡用に利用されているが,昨年度末より約1万6,000局減少し,52年度以降毎年減少を続けている。

 

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