昭和56年版 通信白書

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4 データ端末技術

 データ通信システムの多様化・高度化に伴い,データ宅内装置は,単なる遠隔入出力手段としての位置付けから,システムを効率的に実現するための機能を付与した高度な役割を持つものへと発展しつつある。技術的には,LSIの大幅な採用及びマイクロコンピュータによるプログラム制御方式の導入,あるいは漢字入出力装置,光学式文字読取装置等の開発が積極的に進められている。
 端末の制御回路技術については,LSI技術の進歩によりマイクロプロセッサと高集積メモリ素子とを組み合わせたプログラム制御方式が従来の布線論理方式に代わって採用され,小型軽量化,低価格化に大きく寄与している。さらに,多様化・高度化するユーザの要望に対処するため,メモリに書換え可能なRAM(Random Access Memory)を採用することにより,プログラムを書換えるだけで種々の業務に適用できる汎用の制御装置が実用化されサービスに供されている。また,ファイル装置を有し,システム機能の一部をも処理する高度な端末も実用化されている。
 基本的な入出力機器である英数字カナのシリアルプリンタは,母形方式とならんでワイヤドットマトリックス方式のプリンタが多数開発され,各種装置に適用されている。
 新しい入出力機器としては,漢字入出力装置,光学的文字読取装置のほか,図形入出力装置の実用化が進められている。
 漢字の入力方式としてはタブレット式,漢字ドットコード式,バーコード読取式に加えてカナ〜漢字変換入力方式が,出力方式としては電子写真式に加え,ゴシック体及び明朝体の印字が行える漢字ワイヤドットプリンタが普及しつつある。
 光学式文字読取装置は印刷及び手書きの数字,カナ及び英字読取装置が実用化されており,ドットマトリックス印字文字の読取りなどへ適用範囲を拡大しつつある。
 一般の英数カナに加えて簡単な図形,漢字が表示できるカラーディスプレイが実用化され,また直線や円のような線図形を扱う図形入出力装置が実用化されている。
 国際電電においては,国際間における文書通信の迅速化とビジネスにおけるオフィス作業の効率化をねらいとする国際テレテックス通信用として,CCITTテレテックス関連勧告に適合した欧文を主体とするテレテックス端末装置の開発に着手した。また,文字と図形が混在する文書を統一的に伝送するためのテレテックスとファクシミリの統合端末の研究も進めている。

 

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