昭和56年版 通信白書

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4 通信用土木技術

 通信用ケーブル等を収容し保護するための通信土木施設には,管路,マンホール,ハンドホール,とう道等があり,これらは原則的に道路占用物件として公道内に埋設されている。これらは過去において幾多の改良が加えられてきたものであるが,通信事業の進展に伴う量的拡大に加えて,光ファイバケーブル等の新しい技術の導入に伴って,今後とも経済性の向上,工事の省力化,信頼性の向上,都市内環境との調和等を図る必要があり,それらに対応した通信土木技術の開発が行われている。
 電電公社では,通信土木工事の省力化及び工期の短縮を図る技術としてブロック・マンホールが開発され,改築マンホール,ハンドホールについてもブロック化の検討が進められている。また,環境との調和を図るため,開削工法に代わりトンネル施工で管路な築造する自動制御・計測技術を駆使した最大掘進長150m程度の小断面シールド工法が開発され,さらに,掘進長の拡大を図って,早強性レジンモルタルを用いた自動プイニング(覆工)方式による新工法の開発が進められている。
 その他に,崩壊性地盤にも適用できる圧力平衡式シールド工法の開発も進められている。また,大都市とう道内における災害防止や,作業の円滑化等を目的として,災害の早期感知,設備管理,人出管理等が可能な,とう道管理システムの導入が進められている。
 近年,耐震工学の進展は著しいものがあり,特に,東海大地震の発生等も予想されている中で,建設省から新耐震設計法が提唱されている。通信土木施設についてもこれによる耐震性の見直しが行われ,管路とマンホールとの接続部における信偵性の向上を図ってダクトスリーブ及び不等沈下にも対応可能な離脱防止継手の開発が進められている。
 また,省資源の面からは,掘削発生土を改良して埋戻し土に利用する発生土埋戻し工法等の検討が進められている。
 さらに,離島間ケーブルや大容量国際海底ケーブルでは,ケーブル障害が通信サービスに重大な影響を与えるため,障害となった場合には,迅速な修復を行なう必要がある。このため,電電公社及び国際電電においては,効率的な海底ケーブルの敷設・修理技術の開発を行っている。
 敷設技術に関しては,航行制御,ケーブル敷設・工事記録等をコンピュ一タで制御する敷設自動化システム及び水深200mまで埋設可能なケーブル埋設機が実用化されている。また,従来の海底ケーブルの埋設深度を超えるような漁具の使用が増加してきたので,埋設深度増大のための検討が始められた。
 修理技術に関しては,直線状にない修理後のケーブルの再埋設も行えるケーブル方向探知機能及び方向制御機能を備えた舵付埋設機が実用化された。また,海底面上約1mを走行する自走式ケーブル探索装置の開発のほか,既開発の捕そくセンサ付探線機にケーブルの切断,保持機能を付加する検討が進められている。

 

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